V小説。
□パート別対談。
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<ボーカル編>
「では、対談の方始めさせていただきます。」
マ・黄・将「ハイ。」
まず最初に集めたのは、3バンドのボーカリストたち。
マオ、黄泉、将の3人だ。
「えっと、まず最初にですね、皆さん現代のVロックシーンを引っ張っているバンドのボーカリスト同士ということになりますが、こうやって顔を合わせるのは初めてですか??」
マ・黄・将「ぃや…」
3人は、小さな声で軽く否定をした後で、お互いの顔を交互にキョロキョロと眺めた。
いきなり自分がしゃべってしまっていぃものかと、
ここはどちらかお先にどうぞと、
他2人の顔色を伺いながら戸惑っているのがよく分かる。
「何かで共演されたりとか、どこかの現場ではちあったりとか、そうゆうのは…??」
黄「あ、えっと…」
マ「あれですよね??真夏の宴の時とかに…」
将「あ、そぅですね…」
………
会話終了かぃっ!!
思わず心の中で突っ込んでしまった。
マナツノウタゲとやらについても、誰も説明してくれる気はないらしい。
譲り合いありがとう精神は大いに結構だが、
これじゃ話が進まない。
「では、これまであまり絡んだことはないみたいですが、お互いの印象なんか聞いてもいいです??」
マ・黄・将「……(キョロキョロ)」
あぁもぅコイツら!!
全員まとめて人見知りかよ!!!!
「えーっと、じゃあマオさんから…」
仕方がないからコッチから名指しして喋らせる方式に切り替える。
マ「あーっと、印象ですか??そぅだな…黄泉くんは、もっとこぅ、ガツガツしゃべる人だと思ってました…」
黄「あ、すぃません…」
マ「ぃや、責めてなぃですよ??ただ、意外と大人しぃんだなぁって。将くんは…えっと、イケメンすぎてドキドキしちゃいます…」
将「いやいやいやいや!!」
なんだこれ…
オマエらは慣れない合コン行かされた女子大生かっ!!
「なるほど。じゃあ黄泉さんは??」
黄「俺は…そぅっすねぇ…2人共、オーラあるなぁって…なんか、俺だけ一般人っぽくなぃすか??どぅやったらそんなキラキラするのか教えて欲しいです…」
マ・黄「いやいやいや!!」
マ「黄泉くんも十分キラキラしてるから!!」
将「そぅですよ!!」
コイツら、ホントにビジュアル系なんだろぅか…
俺が浅く適当に勉強してきた世界と、早くもかなりのギャップを感じる。
「では、最後に将さんっ」
将「そぅですねぇ…この3バンドの中だと、俺らが1番後輩なので、ずっと背中を見てきた2人なので、なんかもぅ、憧れしかないですね…」
マ・黄「いやいやいや!!」
マ「そんな、気ぃ使っておだてていただぃて…」
将「違いますよぉ!!シドもナイトメアもマジかっこいぃんで、ホント、いつも勉強させてもらってます!!」
黄「ありがとうござぃます」
だから何なんだ、オマエらは!!
今度はお得意先との商談か!!??
突っ込み所満載すぎる3人の会話を聞きながら、俺はどんどんビジュアル系というものが分からなくなっていた。
「じゃあ、お2人は逆に、他2人の尊敬する所とか、あったりします??」
マ・黄「……(見つめ合う)」
「あ、じゃあ黄泉さんからっ」
黄「俺ですかっ、そぅっすねぇ…マオさんはなんか、女の子目線の曲を、すごく自然に可愛らしく歌えるのが凄いなぁって…。俺だと絶対気持ち悪くなりますもんっ」
マ「可愛らしぃとか…照れるっ///」
マオはそう言いながらまさに可愛らしく口に手を当てる。
めっちゃ嬉しそぅ。
黄「将くんは、やっぱあれですかね、ライブの煽りとか…」
将「え…メンバーには不評なんですけど、俺の煽り…」
黄「いやいや、カッコいぃっすよ!!なんていうんですか??エロカッコいぃ!!」
マ「フッ…」
笑った…!!
コイツ今めっちゃバカにした感じで笑いやがった!!
黄「ねぇ!!カッコいぃですよね!?」
あーあー聞くなって。聞いちゃダメだって。
マ「あ、将くんの煽り??…ぅん、すごく、好きです俺。フフッ…」
ホラ、絶対バカにしてるじゃん!!
どぉすんだよ、この空気…
将「マジすかっ!!もぅ俺、自信なくしてたんですげぇ嬉しい!!ありがとうございます!!」
あ、そぅですか…
素直に喜んじゃうんですか…
「じゃあマオさんから見て、2人の尊敬する所ってあります??」
マ「んー、まず将くんは、その整った顔が羨ましくてたまらない」
将「いやいや!!やめてくださいよ!!」
てゆーか、尊敬なのか??それは…
マ「俺もこんなイケメンに生まれたかったです」
将「いや、マオさんの方がイケメンですから!!」
「じゃあ、黄泉さんに対しては??」
このままじゃ譲り合い大会が終わらない気がして、俺は話を変えさせる。
マ「えーっと、黄泉くんはねぇ…えっと…」
マオは、言葉に詰まって俯いた。
もしかして、思い付かないのか??
マ「えっと、あれですね…えっと…」
え??
マジで尊敬する所、ないんですか??ねぇ!!ちょっと!!
黄泉さん、仔犬のような目でマオさんのこと見つめてますけどっ!!
マ「生き方ですかねぇ…ぅん、黄泉くんの生き様そのものが、尊敬に値します」
うまく逃げやがった…!!
黄「ちょっ、えっ、それは、あっちのバンドのことだったり、そういうことですか??」
マ「まぁ、主にそぅいうことでしょうね…彼の、あのイニシャルCさんの生き様は、カッコ良すぎます」
将「Cさんに関しては、俺も尊敬してやまないです」
黄「いや、ただバカなだけですよ!!あ、俺じゃなくて弟ですけどね!!あははは!!」
ついにコイツらは、俺に分からない話で盛り上がり始めてしまった。
とりあえず、この3人は「人見知り組」と名付けることにしよう。
記事に使うかどうかは、分からないけれど…