V小説。

□性欲<睡眠欲。
1ページ/1ページ

「あのさっ…」

「ん??」

「だから、なんで今日は何もしなぃの??」

「何??シたぃの??」

「べっ…つに、違ぇけど、何でなのかなってさっ」

俺の隣りには今、虎が居る。

仕事帰りに部屋に呼ばれて、

軽く飲みながら一緒にメシ食って、

風呂借りていぃ??って聞いたら、じゃあどぉせ明日も一緒の仕事なんだし泊まってけよってなって、

シングルベッドに無理矢理2人、ぴったりくっついて布団かぶって。

この流れでさ、パターンとしてさ、俺としてはそりゃやっぱ意識しちゃうわけで。

てか、期待するなっつぅ方が無理な話で。

なのにコイツは、俺を抱き枕にして普通に寝る気まんまん。

「理由なんかなぃよ。たまにはこぉゆぅのもいぃかなぁって思っただけ」

そぉ言って、虎はギュッて俺にしがみついて、頬っぺたにチュって軽いキスを落とした。

「…ふぅん」

確かに、こんなふうな時間が幸せだとは思う。

でも、こんな近くにこんな男前フェイスがあって、

ガッチリした、俺好みの体があって、

甘すぎるくらぃ優しい声が耳元に降ってきてたら…

まぁ、俺の下半身も正直な反応を見せるわけで。

「これじゃ不満??」

「ぃや…不満とかじゃねぇけど、でもなんか…なんかさ、こんなくっつぃてたら、だって…」

「シたくなる??」

相変わらず、顔に似合わない猫のよぉな声を吐息に混ぜて虎が聞ぃてくる。

「ちっ…がわなくも…なくもなぃ…」

「シたぃんだ??」

「……」

「シて欲しいんだ??」

「………」

「沙ぁ我ちゃんっww」

俺が、言葉に詰まってると、虎は最近お気に入りらしぃ呼び方で俺の名前を囁いた。

「それで呼ぶなょ…」

「嬉しいくせに」

「んなことっ…」

「なくもなぃ??笑」

「…ばか」

「可愛ぃww」

虎は八重歯を見せてニッと笑った。

俺なんかより、その笑顔の方が100倍可愛ぃし。

「沙っ我ちゃーんっ」

確かに、俺はコイツにそれで呼ばれるのが嫌いじゃない。

元々、ちゃん付けで呼んでほしぃっていうようなことを、ブログで書いたのは俺の方で、

表向きには、ファンの子へ向けたものだったけど、コイツに呼ばれることとか、その時のコイツの声色とか、妄想してたのも事実なわけで…

「虎氏、ねぇ…」

「ん??」

「…シよ??」

あーぁ、言っちゃったよ俺…

コイツとだと、下になるのは分かってるのに。

それでもいぃって思えちゃってんだから、男として終わってる。

「てか、シて…触って…」

「そんな可愛ぃと、知らないよ??」

そぅ言われた直後に唇を塞がれた。

「んん…」

相変わらず巧すぎる。

やばぃ。

キスだけでめちゃくちゃ感じる。

俺の口の中で、虎の舌がエロっちく動いて、お互いの唾液が混ざり合う。

キスしたまま、虎は右手で俺の上半身を撫で回す。

大きな手のひらが、突起を掠めるたびに、情けないほど体がビクビク震えた。

なんか、心なしか、今日はいつもより虎の手付きが優しく感じる。

その分、すげぇ感じるけど、でも少し焦れったい。

「んっ!!んん…」

そんな俺の思考を読み取ったよぉに、突然虎の手が下へと移動した。

ふんわりと包み込むよぉに握られて、あまりの焦れったさに俺は思わず身を捩る。

「沙我ちゃんは、キスと乳首だけでこんなにしちゃうんだ??」

「んはぁっ…いぃから、早くっ…」

「凄ぃよ。先っぽヌルヌル」

そんな恥ずかしいセリフを吐きながら、虎は俺の先端に爪を食い込ませてくる。

「あっあぁっ…やっ、め」

やっぱり、今日のコイツは少しおかしぃ。

なんでもっとガッついて来ねぇんだ??

布団蹴っ飛ばして、俺の上に乗っかって、痛いくらぃの力で俺の肩押さえ付けるあの勢いはどこ行った??

「虎ぁ…」

「ん??」

「もっと…もっと、ちゃんと…触って…」

いつまでも、触れてるのか触れてなぃのか分からないくらぃの愛撫を続けてる虎に、いぃ加減痺れを切らして、恥を捨ててねだってみる。

「…ぅん」

…………

……うん??

うんって何だよおぃっ!!

虎の顔を覗き込むと、虎は口を半開きにして、目を閉じてる。

これはもしかして…

ぃや、もしかしなくとも…

ツンツン。

胸の辺りをつついてみる。

反応なし。

嫌な予感的中。

コイツ、寝てやがるっ…

「とらしぃ」

今度は頬っぺたをペチペチ叩いてみる。

「んっ…さがぁ…」

ぎゅっ。

「……」

ぃやぃやぃやぃやっ!!

んな可愛らしぃ甘えた声で名前呼んで抱き付いてきてくれたって嬉しくねぇよっ!!

俺の隣で、虎は遂にスースーと気持ち良さそうに寝息を立て始めた。

つまり、今日のコイツの手付きが優しかったのは、単に眠かっただけってことになる。

虎の寝顔を見てたら、また下半身が疼いた。

なぁ虎氏。

どぉしてくれんだ??コレ。

とりあえず、朝起きたら一発殴ってやるとして、

今は俺の脳内で啼かせてやろうと決めて、

俺は自分の下半身に手を伸ばし、ティッシュの箱を引き寄せた。

end.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ