V小説。

□パート別対談。
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「えっ、ビジュアル系っすか??!!」

「ぅん、今V系バンドがすごく熱いでしょ??だから今回ね、こぉゆぅ企画を……うんぬんかんぬん」

「…はぁ。」

この音楽出版社に就職して3年。

俺は、インディーズのロックバンドや、シンガーソングライターなんかを中心に、地味な雑誌に、地味に記事を書かせてもらってる。

「まぁ、うちも流行りに乗っかってかないと、なかなか売り上げ伸びないからね…じゃ、よろしく!!」

先輩に頼まれて任された仕事は、ビジュアル系と呼ばれる類の、派手なイケメンバンドたちの対談企画。

正直、全然興味はなかったけれど、

そもそも、男のくせに化粧とかしてる地点で好きになれないけれど、

まぁ仕事だから仕方ない。

で、今回対談を行うバンドというのが、アリス九號、ナイトメア、そしてシド。

先輩に言わせれば、「え??知らないの??今最高に熱い3バンドよ!!」らしぃが、残念ながら俺は踏み込んだことのない世界だったので、サッパリだ。

「対談っつってもなぁ…」

俺は、それぞれのバンドのプロフィールを眺めながら、思案する。

普通対談というと、2人とか3人でやるものであって、この3バンド、計14人をどう振り分けるかが問題になってくる。

とは言っても、俺はコイツらがどんな奴らなのか全然知らないわけだから、

結局、めんどくさくて、単純にパート別でいっかという安易な考えに落ち着いた。

そして2週間後。
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