V小説。
□猫の気持ちが知りたくて。
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「もぉっ!!なんで咲人はいっつもそぉなのっ!?心配じゃなぃの??なんでそんなに優しくなぃの??あんなツラそぉな姿見て、なんで平気でそぉゆうこと言えんの??信じらんなぃっ!!俺、オマエのそぉゆう冷酷なとこ大っ嫌い!!バカバカバカーっ!!咲人なんかどっか行け!!近寄んな!!触んな!!死んじゃえ!!バカーっ!!」
可愛ぃ猫に、
キレられた…
どぉやら原因は、俺らしぃ。
ぃや、
元を辿れば、ゾジさんなんだけど…
「…ひつ…ぎ??」
プィッ。ガシャン。バタン。ドタドタドタ…。
俺におもきし背を向けて、部屋を出てってしまった柩さん。
今のこの現状を、簡単に説明するなら、
まぁ、とりあえず、うちのボーカルがブッ倒れたことから始まる。
今日は、ツアーの、とある地方公演の日で、
前々から、ゾジさんは体調が悪かったみたぃなんだけど、
今日のライブで、つぃにボロが出て、
アンコールで歌う頃には、声カスカス、足元フラフラ。
ステージからはけた途端にバタンキュー。
瑠樺さんのお姫さま抱っこで、静かな部屋に強制連行。
瑠樺さんはそれっきり、自分の着替えもしなぃでゾジさんに付きっきり。
柩も新弥も楽屋で心配しっぱなし。
でもさ、
俺は思うわけ。
元々体丈夫な方じゃなぃのに、
無理ばっかして、ダイエットだか何だか知らないけど、ろくに食うもんも食わないで、
それであれだけライブで歌って、動いて、頭振ってたら、
倒れんの、当然じゃん??
俺らはいつだって、俺らにできる最高のライブを、最高の形でファンの子たちに魅せなきゃなんなぃのに、
自分の体調も自分で管理できなぃでどぉすんの??
ボーカルは、バンドの顔なんだから、
いくら俺ら4人が完璧にやってても、
ゾジさんがダメだと、バンド全体がダメになる。
ゾジさんには、ボーカルとしての責任感が足りないと思う。
…って、
ライブ終わりの楽屋で愚痴ってみたら、
愛する猫に、逃げられました…
「冷酷ねぇ…」
柩が不在の楽屋に居ても、何にもおもしろくなぃから、
人気のなぃ喫煙所で、独り、物思いに耽る。
「…咲人??」
背後から、俺を呼ぶ声。
それは、俺の可愛ぃ猫の声とは似ても似つかなぃ、男くさぃ低音。
「さぁーきとっ!!おぃっ!!」
「ん??」
「聞こえてんなら返事くらぃしろよっ」
「今、したじゃん」
独りになりたぃって思ってたくせに、
少し遠慮がちに俺の隣に座ってきた新弥の存在に、少し安心感を覚えてる俺が居る。
新弥なのに…
「ったく、何拗ねてんだよ…」
「拗ねてなんかいませんー」
「じゃあ、反省してんの??」
「はぁ??何を??俺、反省するよぅなことした記憶なぃし」
「はぃはぃ、そぉだねぇー」
「バカにしてんの??」
「してなぃよっ!!咲人らしぃなぁって思っただけ」
「ふーん」
そぅ言ったっきり、新弥は自分のタバコに火を付けて黙りこくってしまった。
別に新弥と話すことなんか何もなぃんだけど、
何故か、沈黙が耐えられない…
「ねぇ…」
「ん??」
「俺って、冷酷??」
「はぁ??!!」
今度は、新弥が聞き返してきた。
「そりゃ、咲人が冷酷なことなんか、ファンの子だって承知の上だろっ」
新弥はケラケラと可笑しそうに笑いながら言う。
何だか、そんな質問した自分がバカらしくなった。
「…何??柩に言われたこと、気にしてんの??」
「別に…」
「そっか、意外とショックだったんだ…」
「ぃや、別に気にしてn…」
「まぁ、柩があそこまでマジでキレんの、確かに珍しぃもんなぁ」
「違っ…」
「柩は誰にでも優しぃかんなぁ…んな落ち込まなくてもどぉせすぐ謝って来…」
「だから別に気にしてなぃってばっ!!!!」
思いがけず、大きな声が出てしまった…
何だか、恥ずかしい…
「ごめんごめん、俺が悪かった。咲人がホントは冷酷なんかじゃなぃことくらぃ、みんなちゃんと分かってっから大丈夫だってっ」
新弥は、そぉ言いながら、俺の肩をポンポンと叩いた。
「うわ、新弥に慰められてるの、なんか嫌…」
「悪かったね、俺で」
新弥はそぅ言ってタバコの煙を吐く。
俺はそんな新弥の横顔を眺める。
黙ってれば男前なのに、残念な奴だなとつくづく思う。
「ちょっ、何っ??見すぎっ!!」
俺の視線に気付いた新弥が、あからさまに照れながら頬を赤らめる。
「俺の顔なんか付いてる??」
「ぃや…新弥ってさぁ…」
「俺が何??」
「新弥ってまだ、俺のこと好きなの??」
「っっ!!!!はぁ…えっ…はぃーっ??!!」