リボーンの部屋
□ごめんな……
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「本当に、良かったの?」
帰り道。
家の門をくぐったところで、十代目が振り返って心配そうに俺に声をかけた。
どうして……
ごめんな……
俺は、山本のことが好きだ。
中一の時、並中に転校していった日。声をかけられたあの時から気になっていた。
男だという事は、しっかりと分かっていた。
でも、好きになってしまった。
しかも、これが俺の初恋だった。
恋なんてもの、したことがなかった。
イタリアにいたときは、ただただ生き抜くことに必死で。恋なんてしている余裕もなかった。否、興味がなかった。
イタリアで生活していた時だって、別にチャンスがなかったわけじゃなかった。
町を散策している時、女なんてものはたくさん目にしてきた。数えられるほどだが、声をかけられたこともある。
でも、全くそんな気は起らなかった。
だが、あいつにだけは違った。
十代目の素晴らしさを知った後、教室に戻った時に突然声をかけられた。
はじめは、無視してやろうかなんてことを考えていたけれど。あいつがあまりにもしつこいからつい顔をあげてしまった、その瞬間。
不覚にも、心臓がはじけた。
あんな気持ち、初めてだった。
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