リボーンの部屋
□受けの苦労、攻め知らず
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「どうしたんだい?そんな深々と溜息を吐いて」
「「?!」」
突然の声に驚いて顔をあげると、窓に雲雀がいた。
「雲雀さん?!な、なんでそこに?」
「そんなことはどうでもいいから、まず溜息の訳を訊かせてよ」
雲雀はそう言いながら土足でツナの部屋に上がり込んだ。
どうでもいい訳ではないが、流石に雲雀には逆らえない二人は、訳を語りだした。
*・*・*・*・*
「……つまり、恋人に悩まされてるんだね?」
「はい……」
「なら、僕がアドバイスをしてあげるよ」
状況を理解した雲雀は少し笑い、話し出した。
「まずは獄寺隼人。君はもっと素直になるべきだ」
「素直……?」
「つまり甘えろということさ」
「甘える?!」
雲雀の思いがけない一言に獄寺は声を荒げた。
考えられない。そう言いたそうな顔をしている。
「どう考えたって、山本武は君に対して不安を抱えてる。なら、君からその不安を消すといい」
「んなこと、出来る訳ねーだろ!!」
「やらないんだったら、これからも同じようになるけど」
いいの?薄ら笑いながら、雲雀が言う。
どう考えても、楽しんでる……。
「解った。やる……」
本当は嫌だったが、それ以外に良い方法が思いつかなかった獄寺は、素直に従った。
それを見た雲雀は、満足そうに笑った。
「次に沢田綱吉。君はその逆。もっと冷たくなるべきだ」
「冷たく、ですか……?」
「そう。六道骸が言うことを聞かないのは、何かしても、最終的に君がかまってくれるのを知っているからだよ」
犬かよ……。ツナはそう思いつつも雲雀の話を聴いた。
「だから、冷たくして相手に危機感を与えるべきなのさ」
「なるほど……」
「受けは攻めを困らせるべきなのさ。女が男を振り回すみたいにね」
「「おおお!」」
雲雀の話は、かなり納得がいった。
さっきまでふざけんなという感じだった獄寺も、真剣に聴いている。
「雲雀も、振り回してんのか?」
「当り前さ。ディーノは振り回されてこそディーノなんだから」
何かその論理、ディーノさんむごいなあ……。ツナはそう思い苦笑いをした。
しかし、獄寺はこの考え方が気に入ったようだ。
「最高だな、それ!俺もさっそく山本を振り回すぜ!!」
目を輝かせながら獄寺が言うと、雲雀がまた満足そうにほほ笑んだ。
「報告してね。結果が知りたいから」
「おう!」
今まであまり仲の良くなかった獄寺と雲雀が、協力をしつつある。
ある意味感動的な場面。
「十代目、がんばりましょう!!」
「ん?ああ……」
ツナは、あまり乗り気ではなかったのだがこの状況で断るわけにもいかない。
「……うん。がんばろっか」
「はい!雲雀、ありがとな」
「がんばりなよ」
まあいいや。なんか面白そうだし。そう思いながら、ツナも協力の輪の中に加わった。
こうして、ツナと獄寺と雲雀による同盟が結成された。
*続く……*
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