リボーンの部屋

□エプロン
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*・*・*・*・*


仕事が思ったより長引いた。

そう思いながら、時計を見た。

時刻は17:30。山本に伝えたのより、30分もずれている。

あいつ、心配してるかな?

山本は少しでも待ち合わせに遅れると、俺のことを必要以上に心配する。中学の時もそうだった。

そう思い、少し小走りになった。




ガチャ

「ただいま〜」


ドアを開けて、中に入った。

その時。


「おかえり獄寺!!」


顔をあげると、ありえないほどの真っピンクなふっりふりのエプロンを着た山本がいた。

驚きのあまり言葉を失いボー然となる。

そんなことはお構い無しに山本が一息にしゃべる。


「ご飯にする?お風呂にする?それとも……オ・レ?」


そしてキャピッと笑い、ウインクをした。


「………」


完全に言葉を失った。


「あれ?どーした獄寺?」


どーしたじゃねえだろ。


「どう?可愛い??」


そう言いながら首をかしげる山本を見て、頑張ってきた糸が切れた。

ちなみに、切れた糸は理性のじゃない。堪忍袋の方だ。


「『可愛い?』じゃねえだろ!!」
「わ、ビックリした。いきなり大きな声出すなよ〜」
「座れ!!」
「へ?」
「ここに座れ!んで、なんでこうなったのか話せ!!」


山本は何か言いかけたが思いきり睨むといそいそと床に正座をした。


「で?なんでこうなったんだ?」
「なんでって……獄寺と新婚ごっこがしたかったから?」
「はあ?」
「本当は獄寺にやってもらいたかったんだけど、絶対やってくれないだろうから。自分でやったんだ」


あほかこいつ……。


「それに、俺達新婚だし」
「誰と誰が?」
「俺と獄寺が」
「いつ結婚した!!てめえの妄想と現実を一緒にすんな!!」






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