リボーンの部屋

□仕返し
1ページ/2ページ





「獄寺。トリック・オア・トリート!!」


突然、山本が獄寺に向かって言った。


「……は?」


突然の出来事に、獄寺は全く状況がつかめず、ポカンとした顔で山本に訊き返した。


「突然なんだよ」


獄寺は戸惑いながらもう一度訊いてみた。

すると山本はニッと笑って答えた。


「だって今日はハロウィンじゃん」


獄寺は山本の一言に、ああそうかと納得し、そして。


「はい」


差し出された山本の掌に飴玉を置いた。


「ええ?!持ってたのかよ……」


乗せられた飴玉を見た山本は、ガックリと肩を落とした。


「ぜってー持ってないと思ったんだけどなぁ」
「そんなに悪戯したかったのかよ」
「……うん」
「そりゃあ残念だったなぁ。言っとくが、てめぇの行動パターンなんてお見通しなんだよ」


そう言って笑う獄寺を見て、山本はそりゃねーぜとますます落ち込んだ。


「じゃあ、次は俺の番だな」


獄寺はそう言ってニッと笑って、


「トリック・アンド・トリート」


と言った。


「え?トリック・オア・トリートじゃねぇの?」
「何でもいいだろ。さっさと答えやがれ」


言い間違えたのか?そんな事を思いながらも山本は、さっきの仕返しをしてやろうと思って。


「はい」


とさっき貰った飴玉を渡した。


「ありがとな。でも山本。おれは、アンドって言ったんだぜ?」
「え?」
「アンドの日本語訳は?」
「……と?」
「正解」


嫌な予感がする。そう思いながら山本が一歩後ろに下がった。


「いつもの仕返し、たっぷりさせてもらうぜ?」
「え?って。ぎゃあああああああああ!!!!」



仕返し






翌朝。

満足げな獄寺と、げっそりとした山本と言う、何時もと正反対の二人が肩を並べて歩いていた。






*終われ*
nextあとがき
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ