リボーンの部屋
□10年の月日
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「はいこれ。今回のレポートなのな」
「うんありがとう。お疲れ、山本」
仕事から帰ってきた山本が、報告書をくれた。
「でも、本当に捻挫程度のけがにおさまってよかったなぁ」
ぼそりと呟き、ついつい溜息を漏らした。
今回の山本の仕事は、かなり命を張ったものだった。
下手をすると、命を落としかねないほどの危険な仕事で。
山本が出て行ってからのこの数週間、かなり冷や冷やしっぱなしだった。
「俺も、こんぐらいで済んで本当に良かったなぁって思ってるのな」
「本当にそうだよ。急に『山本がけがした』って知らせが届いた時は、気を失うかってぐらいビックリしたよ」
「ハハッ、ツナは心配症なのな。そー言うとこは中坊ん時から全く変わってねぇな」
山本は、そう言うとまたにこにこと笑いだす。
俺の心配症は、変わってないと言うかむしろ悪化してると思う。
ってか、こんな仕事してて何ともない方がおかしいって!
そう思うと、中学生の時から変わらない笑顔でいる山本はかなりすごいと思う。
あれから、かなりいろいろな事があった。
そして、その一つ一つを乗り越える度に、何かが変わっていったと思う。
「でも、あれからいろいろ変ったよな」
突然の山本の、俺の心を読み取ったような言葉に一瞬ドキッとする。
「うん。そうだね……」
「だって、あのダメツナが立派にボンゴレのボス勤めてるんだぜ?何かそー考えると、10年って長ぇよな」
「そう言う山本こそ」
プッと山本が吹き出し、つられて俺も笑い出した。
こうやって冗談を言って笑うのも、なんだか久しぶりだ。
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