リボーンの部屋
□花火
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「9月9日は獄寺くんの誕生日なんだって」
獄寺のいないとき、ぽつりと呟くようにツナが言った。
「へぇ。そーなんだ」
「うん。前に誕生日の話になったとき、言ってた」
「ふーん。祝うのか?」
「うーん・・・・・・。一応、おめでとうは言うつもりだけど・・・・・・」
山本の疑問に、ツナが困ったように口ごもった。
そんなツナを、山本は不思議そうに見つめた。
「正直、まだ獄寺くんのことよく知らないから、どうしよっかなって思ってるんだ。
なにが好きかも知らないし。それに獄寺くん、騒いだりするのって嫌がらないかなって思ってさ」
「あー。なるほどなぁ。確かに獄寺って、よく分かんねぇよな」
ハハハ、と山本が軽く笑う。
それを見ながら、ツナも困ったように笑った。
ちょうどその時。
「あっ、この野球バカ!何てめぇ、10代目に馴れ馴れしくしてんだアホ!」
話題になっていた獄寺本人が、山本への罵声と共に現れた。
そして、離れろとばかりに山本を睨みながら、ツナの隣をキープする。
いつもの光景だ。
「ささ、あんなやつほっといて、ボンゴレの未来について熱く語りましょう。10代目」
「ん?またマフィアごっこか?」
「ちげぇよ!野球バカは黙ってろ!」
「ちょ、獄寺くん・・・・・・」
山本に喧嘩腰につっかかる獄寺を、ツナがあわててなだめる。
これもいつもの光景だ。
さっきまでの話は、すでにどこかに消え去っていた。
ぎゃーぎゃーとツナに止められながらも怒り続ける獄寺を見ながら、山本はぽつりとさっきのツナの言葉を思い返していた。
(9月9日、か・・・・・・)
それが夏休みに入る前の、屋上での出来事だった。
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