下忍

□キズ
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大抵の傷は1日あれば完璧に治る。


“圧倒的な回復力”




これだけが俺の取り柄だった。













【キズ】









俺、うずまきナルトは今窮地に追いやられていた。


1人の男によって。






その男の名ははたけカカシ。





なんでこうなったのか俺には心当たりが見あたらない……。











こう見えても暗部総隊長の肩書きを持つ俺は表の任務で下忍の護衛任務につかされていた。


忍者は基本小隊としてスリーマンセルかフォーマンセルを組むのだか、下忍は上忍を1人入れたフォーマンセルを組まなければならない。



実力的には俺が隊長として立つべきなんだけど、実力を隠さないと太陽の下へでられない俺は渋々下忍役ってわけ。




そして隊長として俺の裏を知る数少ない人物の1人、はたけカカシが抜擢された。






何か、ムシズが走る……。






表の俺はアカデミーを最下位で卒業するドベ忍者。



そもそもうちはサスケと同じチームになるための布石なわけで…好きで誰がドベになるかッ!





下忍の最終試験も突破し忍として本格的に任務をやっていくんだけど……


サスケってよく狙われるんだよね…。




俺どんだけアイツの為に働いただろう…。


とまぁ、思い返すくらい狙われるうちはの血を護る為に今回ちょっとヘマしちゃったんだよね……。







……で、この状況。








傷ついた身体を癒すためにベッドで休息した途端、俺の部屋にいきなり現れたこの男。



俺の両腕をベッドに押さえつけ馬乗りし、俺を真上から見据える怒りに満ちた目が痛い。







でも大概俺もキレそうだ。



癒えるものもこれじゃあ癒えないし、夜の任務もあってかなり疲労も溜まってた。


「……おい、いい加減そこ退けよ…!」




渾身込めて俺は低く唸った。

カカシの頬を一筋の冷や汗が通り俺の首元に垂れた。



俺の威嚇は重々効いているらしい。

けどどうやらここを退く気も無いようだ。


「ハァ……。せめて何か喋ってくんない?

じゃないとわかんないよ…。」



結局折れたのは俺。


つくづく甘いな、俺も。





けどカカシはまだ黙ったままだった。


附せているから顔が見えないけど…。




ふと、左腕が軽くなるのを感じた。


目をやればカカシが押さえつけていた俺の片腕を離しカカシの右腕は俺の服の下から忍び込み的確にそこをついてきた。




「――ッ…!」

思わぬ痛みに顔が歪む。


カカシが触った場所は今日、サスケを狙ってきた忍の排除の際ついたキズだった。





腹に鮮やかな斬り口。



油断したわけじゃない。

けどやられた。


――前言撤回。

心のどこかで油断してたのかもしれない。





カカシの態度から言いたいことがなんとなくわかった。




「……このキズか…?」


俺の言葉に未だ押さえつける右腕に鈍い痛みが走った。

その腕を通してわかる―――


カカシが震えていることに。




解放された左手でカカシのマスクを掴み下にすり降ろすと許された者しか見ることが出来ないカカシの素顔が現れる。


 
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