火影

□努努
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【努努】








――――――行くな、サスケェ……!




















「―――‥!……ッッハァハァハァ…!」




また…あの夢か……




熱い


熱い


心が渇くような火照りが続く


いくら離れても


いくら強くなっても


いくら人を殺めても




この渇きが潤うことはない


むしろ渇きは増す一方で一層俺を苦しめる





アイツと離れて約三年が経とうとしていた



最近じゃ毎晩夢に出てきては俺を苦しめる



あの時全て絶ち斬った






つもりだったのか?




まだ未練でもあるというのか?



考えれば考えるほどに心が渇きアイツを求めようとする自分がいる






「……クソッ…!何なんだよッッ……!」





頼むから俺の中から消えてくれ………ナルト……















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「……何の用だ?」





身支度をしている最中、部屋の外に感じる気配に向かって言った




「サスケ君…大蛇丸様が君を呼んでいたよ…。」



「フン……。」





俺は刀を帯に差し込みドアを開ける






俺を呼びに来た男――カブトは俺を見るなり妖笑を浮かべる




気に食わない…











たまに呼ばれて行く大蛇丸の部屋までは少し距離があるがその間俺達が口を開くことはなかったのだが……






「……そういえば…」



カブトは俺に声を掛けてきた






「ナルト君と何かあったのかい?」



「…………。」



唐突な質問に心臓がビクリと跳ねた


クソ眼鏡…、厭な笑みを漏らしやがる……



「昨夜君の部屋の前を通った時君の寝言が偶然聞こえてね……凄く叫んでたよ、彼の名前。」


いちいち勘に障りやがる…


コイツの遠回しな言い草に苛立つ俺





「何が言いたい?」




「別に少し気に「どうかしたのかしら?」」




「「!」」


介入してきたのは大蛇丸


「フン…、お前には関係ない。」



「フフフ……。」



大蛇丸もカブト同様妖笑を浮かべ俺を見る



「さっさと要件を言え。」


効果がないとわかっていても睨みながら本題を要求した



とにかくこの嫌な空気を漂わせるコイツらから離れたかった




「相変わらずつれないわね、まァいいわ。貴方に木ノ葉へ行ってほしいのよ…。」



「木ノ葉…?何故?」



「少しね……気になる子がいるのよ…。」








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俺は木ノ葉近くの森にある湖の草むらに息を潜めていた





大蛇丸が言うにはソイツは今日この湖に現れるらしい





『ある一族の生き残りの可能性がある子でね、私の実験にその子がどうしても必要なのよ。…確か金髪だったわ。……頼むわね、サスケ君…。』






――――‥金髪…か……



アイツも同じ色だった





太陽みたいな笑顔は俺には眩し過ぎて…



触れないから余計渇いてアイツを求めてしまう




このどうしようもない渇きが恋愛感情だと気付いたのは下忍になった時



だが俺もナルトも男だ


男同士の恋愛など実る筈もない



だからといって俺にはナルトを諦める事なんて出来なかった



だから離れた





アイツを傷付けてしまう前に





  
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