脱色
□好きだよずっと好きでした
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恋をした。
あの日偶然会ったアイツに恋をした。
胸がドキドキうるさくて、これが恋なんだなぁ、なんて思ってしまった。
気付いてしまったら、恋心はどんどん加速していった。
叶うはずなんてないと痛いほどわかっているのに。
死神と人間。
死んだモノと生きているものの恋がうまくいくなんて、思ってはいなかったけれど。
ただ、傍にいるだけで幸せだった。
力を無くした私を護ると笑ってくれたアイツに恋をしていたんだ。
好きだった。
大切だった。
誰よりも、愛していた。
尸魂界から追っ手が来る事なんて、わかっていたはずなのに。
――その追っ手が兄様と幼馴染みだとは思いもしなかったけれど。
それでも、アイツが私を追い掛けてくるなんて、思いもよらなかったよ。