番外編置き場2
□愛の伝え方
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ガチャ
ツナ「……ザンザス……いる?」
ツナは恐る恐る扉を開け、顔だけで中を見る。ひょこと言う効果音が似合いそうだ。
ザンザスは席に座り黙ってツナを見ると「入れ」とだけ言った。ツナは恐る恐る中に入る。
ツナ「……(やっぱりこの空気…慣れないなぁ……うぅ)」
ザンザス「どうした?」
ツナ「あっいや…その…」
ツナは急に言葉を掛けられて慌てて頭の中を整理する。
ザンザスは黙ってツナの言葉を待っていた。
ようやく整理し終わりツナはザンザスの側に行く。
ツナ「……ザンザス…あのさ…」
ザンザス「……」
黙ってツナを見る。
ツナ「……僕、ザンザスが好きだ。大好き……////」
ザンザス「……あぁ…」
ツナ「……ザンザスは?////」
ザンザス「……」
ザンザスは黙り間を開けると、ツナを見て静かに
しかし、はっきりとした口調で言った。
ザンザス「……愛してると、思う……」
ツナ「……えっ?」
ザンザス「俺様は今まで誰かを愛したことが無い。興味も無かったからだ。
女は腐るほど寄ってきて、飽きるくらい抱いてやった。しかし、いずれも愛じゃない。
そもそも愛ってなんだ?わかんねぇ……」
ツナ「……」
ツナは胸の中が締め付けられる感覚を感じた。
しかし、顔には出さずにただ黙ってザンザスの話を聞いた。
黙って無いと泣きそうだったから…
ザンザス「……愛なんて信じちゃいねぇ……」
ツナ「……っ…」
ザンザス「……だから、愛してるなんて言わねぇ……んな、不確かなもの……ツナ」
ツナ「……な…に?」
ザンザスに名を呼ばれなんとか絞りだし僅かに言葉を紡ぐ。
ツナの目には涙が溜まっていた。ザンザスはそれに構わずにツナの腕を掴み自分の方に引っ張った。
ツナは倒れるようにザンザスの胸の中に倒れる。
ザンザスはツナを抱き締めツナの耳元で囁く。
ザンザス「お前は俺様のモノだ。それで、良いだろう?」
ツナ「っ!?////」
ツナは顔が赤くなる。
ザンザスはツナの顔を見る。
そして続けて言った。
ザンザス「愛してるなんて言わねぇ……お前は俺のもんだ。それが証拠だ。いいな?」
ツナ「……っ…うん////」
ツナは涙を流し微笑んだ。
これが…ザンザスの
愛のかたち…。
これが…僕たちの
愛のかたち…――。
あぁ…なんて不器用で
愛しいんだ。
僕の恋人は無口です。
そして不器用です。
だけど、やっぱり
彼しか愛せません。
彼もそう言ってくれました。
僕は彼のもので
彼は僕のもの。
それが僕らの
愛の伝え方。
愛のかたち。
おわり