小説

□ずっと側に
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「ねぇ、養子に来ないかい?幸せにするよ?」

上半身裸で息の荒い太った中高年の男性がまだ十代前半の全裸の少年の腰にイヤらしく腕を回し言って居た。

少年「えっ?お兄ちゃんも一緒にで良い?」

少年は可愛らしく首を傾げながらまるで耳と尻尾が生えて居ると錯覚させる様な可愛い仕草で男性を見ると言う。

男性「えっ?お兄さん…かい?う、うん…良いよ」

歯切れの悪い返事をする男性、幾らか冷や汗をかいてる様にも見える。そして先程よりも息遣いが荒い。

少年「…迷惑だった?御免ね?やっぱり…迷惑だよね?子供二人なんて……」

シュンとした表情で言う。

男性「あっ、いや…違っ」

少年「…?」

慌てて否定するが言葉が出て来ない男性を可愛らしく首を傾げながら見る。

ジリリリリッ…ジリリリリッ…

その時部屋に有る電話が鳴る。

ガチャ…

少年「はい。」

『お時間です。』

電話に出ると女性の声が棒読みで告げる。

少年「はい、分かりました」

ガチャ…

それを棒読みで対処すると受話器を戻す、
そして今だ言葉を探して居る男性の方へ振り返り近付くと男性の前で膝を付き男性の膝へ手を置き上目使いに男性を見る。

男性「ッ…/////」

頬を染める男性。

少年「時間、来ちゃった…だから帰るね?また…指名してくれる?」

うるんだ瞳で男性を見ながら言う。その姿は捨てられそうな子猫を連想させる。

男性「するする!指名する、絶対!!」

少年「本当?嬉しい…///またね」

即答する男性を見て、ニコッと頬を染めながら言うと着物を羽織っただけの状態で部屋を出る。
男性はそんな少年の姿にまた胸撃たれて居た。そして…男性のズボンはまた膨れ上がってた。


そして少年は……


少年「…はぁ…疲れた」

目が座って居る。
さっきの姿とは一変して居た。

少年「……あのオッサン臭いんだよなぁ…」

そう愚痴りながら自分の部屋へと戻る。


ガチャ…

少年「ただいまぁ〜……兄さんまだ帰って無いんだ…」

部屋に入り誰も居ない事を確認すると自室に行く。そしてベッドに直行すると仰向けに倒れる。

少年「…はぁ……疲れた…」

何も無い殺風景な部屋で少年の声だけがいやに響いた。











――諦めてた…。

全てを、諦めてた…――



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