番外編置き場2

□愛の伝え方
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僕の恋人は無口です。









「……はぁ…」

「どうしました、十代目。何かお悩みですか?」

「えっ?あっ…いやなんでもないんだ、気にしないで」

自分を心配そうに見つめる人、獄寺に沢田綱吉は笑顔で答える。
だけど相変わらず心配そうに見つめるので、打ち明かす。

ツナ「えっと……そのね、分からなくて…」

獄寺「分からない、とは何がですか?」

ツナ「……気持ち……」

獄寺「……気持ち?誰のですか?」

「ザンザスだろ?」

ツナ「ッ…////」

獄寺「野球馬鹿、来んのおせぇんだよ!それにいきなりなんだ!
十代目があんな野郎の事で悩んでる筈が…」

二人が話してると後ろから山本が表れ言う。
ツナがそれに反応し赤くなる。


獄寺「……本当ですか?十代目…」

ツナ「…うん…」

山本「んで、ザンザスがどうしたんだ?」

ツナ「…えっと……僕の事、どう思ってるのかな…って…」

獄寺「……十代目…もしかしてザンザスの野郎を…」

ツナ「…//////」

山本「好きになっちまったんだな」

ニコッと笑いサラリと言う。


獄寺「……十代目…」

山本「恋人、なのな」

ツナ「…////」

獄寺「えっ!?」

山本「あれ?獄寺知らなかったのか?」

獄寺「……あぁ…」

ツナ「…ご、御免ね?獄寺君、話そうとは思ってたんだけど……タイミングが……」

獄寺「あっ、いや、大丈夫っスよ……ちょっとびっくりしましたが…」

ニコッと笑い言う。
ツナは安心したように緊張を解くと話す。

付き合いだしたきっかけは、ツナからの告白。
それにザンザスはたった一言『あぁ…』と言っただけだった。

それからツナとザンザスは恋人同士になった、筈だった。
しかし、ツナは不安だった。


ツナ「話は聞いてくれるし、側に行けば嫌がらないし…僕が言えばき、キスも…してくれる////」

獄寺「き、きす…」

獄寺はショックで意識を飛ばした。山本は獄寺に構わずにツナに質問する。

山本「何が不安なんだ?」

ツナ「…………ザンザスから…触ってくれない…言ってくれない…好きって…」

山本「……なるほど…」

ツナ「僕、わがままかな?人嫌いなザンザスが側に居てくれて話も聞いてくれる。
相づちだけだけど…だけど、こんな僕と付き合ってくれてる……それだけで幸せなのは分かってるけど……僕、望み過ぎかな?」

獄寺「十代目は何も悪くありません!悪いのは十代目を不安にさせるザンザスの野郎です!!」

意識を戻した獄寺はすかさず言う。

ツナ「……獄寺くん」

山本「ツナ……ザンザスに言ったか?全部」

ツナ「えっ?」

山本は優しい口調で言う

山本「望みに限度は無い。好きなだけ望めばいい。ただ、実現しなきゃ意味が無い。
ツナは望みをザンザスに言ったか?伝えたか?ちゃんと…伝えなきゃ相手の言葉は返って来ないぞ」

ツナ「……山本……うん。そうだよね、有り難う」

笑顔で言うとツナはその場を後にし、ザンザスに会いに行った。


獄寺「十代目!頑張って下さい!!」

山本「……あはは。ツナは変わんねぇのな♪」

獄寺「当たり前だ!それが十代目の良いところだ!!」

山本「……獄寺も変わんねぇのな」

獄寺「当たり前だ!……お前も変わってねぇよ」

山本「……そっか」

ニコッと笑いツナの行った方向を二人で眺めた。





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