◆UNDER◆ 

□ねぇ、ここも触って?
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熟睡しきっている名無しさんの上に跨りその顔を覗き込む。

(・・・よく寝てる・・)

小さな寝息を立てる彼女。

その度に衣服を何も身に纏っていない彼女の胸が小さく上下する。
照明のわずかな光の中で頬にそっと手を添えて軽く触れるだけのキスをした。

「・・ん・・・」

口から僅かに漏れた声に、起きたのか?と様子を見るが大丈夫のようだ。



深い眠りについているのを確認し、再度口づける。
唇から首筋、鎖骨からその下へ。
なぞるように滑らせるとくすぐったいのかわずかに体がぴくっと動いた。

(大丈夫・・・・起きてない)

起きそうで起きない彼女のしぐさに胸は騒ぐがその反面頭は熱に浮かされたようにぼぅっとする。
耳元にはどくどくと血液が流れる音が聞こえ、手は汗ばむ。
自分でも分かるくらい荒くなった息遣いに思わず笑ってしまう。
僅かに漏れる吐息のような声に煽られ手を更に這わせる。


1時間前にもあんなに求め合ったのにまだ足りない。
数えきれないくらい突き上げ抱きしめあったのに少しでも身体を離すと渇いてしまう。
欲望を吐き出して隣で気持ちよさそうに眠る名無しさんを見て小さな悪戯心が芽生えた。
少しだけ。少しだけ触れたら寝るつもりだったのに行為はどんどんエスカレートしてしまった。
もう自分では止められない所まできてしまった。
何度も求めてしまう。

(・・・ちょっとだけ・・)

身体に這わせた手をそっと彼女の手の上に覆いそのまま導く。
先ほどから緩く、熱く主張し始めたそこへと彼女の手ごと握る。
身体中の血液がそこへと集中したかのようなそこはぴくん、とわずかに震えた。

「ん、・・・・はぁ」

息を吐き出し、ゆっくりと手を上下する。
大丈夫か?本当に寝てるのか?と気になりながらも動かす手は止められない。
先端からは先走りの液が溢れてきて更に滑りをよくする。


寝てる隙にこんな事してると分かったらどんな顔するだろう?
嫌うだろうか?
顔を真っ赤にして怒るだろうか?

想像するだけで身体の奥が疼いた。

くちゅくちゅと水音が響き、その音も興奮材料となり気づかれない程度に速度を速める。
しばらく上下に動かしているとそれだけじゃ足りなくなって腰の動きも加える。
情けない声が漏れそうになるが何とか押し殺した。

(はぁ、っ、名無しさん・・あっ・・名無しさん)

空いてる手を伸ばし胸の突起を指先で軽く撫でるとゆるゆると立ち上がった。
軽く摘み、屈んで顔を近づける。
口に含み舌で転がすと固く主張しだした。

ずっと口に含んでいたいけれどいい加減にしないと流石に起きだすだろうと身体を起こし、腰の動きを速めた。
名無しさんの手に握らせたままにピストン運動を速める。
先端からは収まりきれなかった液が垂れはじめ、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋中に響く。
持久走後のような短い呼吸を繰り返し果てを目指す。

目を瞑り快楽の波に委ねていると瞼の裏がチカチカしだした。
出る、と思い名無しさんの手ごと握っていた手を離すとそのまま吐き出した。
勢いよく飛び散った液体は名無しさんの顔を汚した。
つう、と垂れていくのを見ながら呼吸を落ち着かせる。
だるい体を倒し、小さな唇に口づけた。
唇を離すと端についた自分の精液を舌で舐め取る。

引き上がる口元を隠さず彼女の耳元でそっと囁く。








「起きてるんでしょ?名無しさん」





うるんだ瞳が俺を見るまであと少し。












ねぇ、ここも触って?


END

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