Short Dream
□我慢出来ない私を許して
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「だめ?」
「駄目。」
「・・・どうしても?」
「駄目。」
「何が何でも・・・・?」
「駄目なものは駄目。」
じとっとした目で前に立つテルさんを見上げる。
軽く睨んでみたけれど効果は無いみたいだ。(全然怖くないよって言われた。)
「何で駄目なんですか?」
「・・・特に理由なんて無いけど・・」
「だったらいいじゃないですかー!」
「だ・め」
「む〜〜」
「そんなに飼いたいの?犬。」
そうなんです。飼いたいんです、犬が、ワンコが!
テルさんと私の言い合いの原因は、私がこの家で犬を飼いたいと言った事なんです。
東京に出てきて数年。
テルさんと暮らし始めてもうすぐ半年が経とうとしてます。
実家では常にワンコがいる暮らしをしてきた私。
東京に来たばかりの頃はペットOKな部屋がなかなか無く(あってもとても払えない家賃に驚き!)
泣く泣く断念してたけれどテルさんと暮らし始めたこの部屋はペットOKなんです。
ワンコ大好きな私としてはワンコの居ない暮らしなんて福神漬けの無いカレーライスのようなものなんです!
だからだからどうしてもワンコを飼いたいんです、とテルさんにお願いしてみた。
それと正直。
忙しいテルさんはなかなか帰れない日もあるわけで、この広い部屋で一人で待つ寂しさに限界がきてました。
確かテルさんも前に犬を飼いたいと言っていたから絶対OKだと思ったらまさかのNG。
なんで?どうして!?
理由を知りたいのにテルさんは頑なに口を閉ざしていて理由が分からない。
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