Short Dream

□ブルーディ→バラ色の日々。
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女であることを恨めしく思う月に一度の恒例行事。


「あー・・痛い・・・。」


どうしてこんな痛い思いを毎月しないといけないんだろう。

身体は熱がこもったように熱くて腰だって痛む。
特に私は腹痛が酷いので毎回顔が青冷める思いだ。

ソファーに座り、触り心地の良いクッションをぎゅっと抱きしめる。
下半身だけ切り離したいくらいズシンと重い痛みが続いていて気分は最悪だ。


「大丈夫?」


マグカップを二つ両手に持って心配そうに立っている##NAME2##。
私が大丈夫です、と力無く言うと眉をへの字に曲げてカップをテーブルに置き私の隣へと腰を下ろした。


「女の子は大変だね。」


男性がソレになったら死んじゃうくらい痛いらしいしね。と言いながら彼はカップに入ったコーヒーを一口飲んだ。
ちなみに私の前に置かれたカップにはココアが入ってるようだ。
甘い香り。
口に流し込むとほどよい甘さが口の中いっぱいに広がり痛みが少し和らいだ気がした。
彼のこんなさり気ない優しさが大好き。


「おいし。」


「名無しさん、ちょっとこれ貸して。」


ひょいっと私の膝の上に置かれたクッションを取り上げられ私はきょとんとしてしまう。
なに?と思っていると私のお腹の上に##NAME2##の手が置かれた。
そしてゆっくりと円を描くように撫でられる。


「毎月大変だと思うけどさ、準備だと思えば?」


「準備?」


「うん。母親になる為のさ。」




"母親"・・・?


"準備"・・・?


彼の言ってる意味が分からなくてぽかんと口を開けて見つめていると、##NAME2##は少しだけ俯いて恥ずかしそうに言った。





「だって俺との子供を名無しさんは産むでしょ?」







ビックリし過ぎて痛みなんて吹っ飛んじゃった!


END*


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