Short Dream

□アイスクリームロマンチスト
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バニラ、イチゴ、チョコレート、抹茶。

色んな種類のアイスがテーブルの上に並んでいる。

今日私が訪れるから、とテルさんが事前に買っておいてくれたらしい。

部屋の中は空調が効いていて快適だけど外は太陽がじりじりと照りつけていてうだるような暑さ。
やっぱり夏はアイスに限る。

テルさんのちょっとした優しさが私は大好きだ。


「どれでも好きなの食べていいよ。」


キラキラと目が輝く。
どれもおいしそうで目移りしてしまう。


「じゃあ、コレで。」


バニラアイスを手に取る。
渡されたスプーンで真っ平らなそこにゆっくりと差し込み口へと運ぶ。


「おいしい!」


口いっぱいに広がる甘い香り。
それだけで幸せな気分になる。


「それはよかった。」


ニコニコと笑っているテルさん。

彼はアイスを手に取るわけでも無く、テーブルに肘を付いて頬杖しながら私がアイスを食べるのをじっと見ている。


・・・・何となく食べづらい・・・かな。


「テルさんは食べないんですか?」

「いや、食べるよ。」

「じゃあどれに―――」


続く言葉は飲み込まれてしまった。
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