Short Dream
□きらきら輝く
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まただ。 また、ダメだった。
大きくため息をつくと少し楽になった気がした。
(あきらめなきゃなぁ〜・・・)
ただぼんやりと前を見つめる。
少し離れた所で忙しく働くスタッフを見て私もそろそろ行かなきゃなぁと思いつつも足が動かない。
憂鬱だ。
また一つため息をつく。
「そんなにため息つくと幸せにげるよ?」
目の前に紙コップが現れてそのまま私の手へと渡される。
同じものを持った彼は私の隣に場所を移動すると壁に背を預け一口飲んだ。
私も一言お礼を言って同じく口に流し込む。
味がじんわりと身体に染み渡り少し気持ちが落ち着いたような気がした。
隣に立つ彼・・・テルさんは喋る事も無くただ黙ってコーヒーを飲んでいる。
何となく気まずい雰囲気が耐えられなくて仕事へ戻ろうかと少し背を浮かせた時だった。
「駄目だった?」
彼の言う”駄目”という言葉に過剰に反応してしまい思わず彼の顔をジッと見てしまう。
テルさんは私と目を合わす事無く少し俯き気味に話し始めた。
「ジローは難しいと思うよ。」
「・・・そう、ですよね。」
テルさんは知っていた。
私がジローさんに今日何度めかの告白をした事を。