Short Dream

□ささやかな願い
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「んっ・・・・」

布と肌が擦れる音とベットの軋む音で目が覚めた。
まだ眠くて瞼が開かない。
少し目をこすり、ゆっくりと重たい瞼を開くと朝日がカーテンの隙間から差し込んでいるのが見えた。

ゴロンと反対側に寝返りをうつと大きな背中が目に入った。



テルさんの背中



今まさに腕に服を通そうと瞬間だった。



「キレイ・・・・・」



テルさんには聞こえないように呟く。
朝日に照らされて髪の毛がキラキラと輝いて見えた。

テルさんの身体はとてもキレイ。
しっかりとした二の腕。華奢に見えるのにしっかりとした身体。

それでも私を抱く時は身体が軋む程強く、強く、抱く。

その身体のどこにそんな力があるんだろう?

でも私はそうやって抱きしめられるのが好き。

でもそうやって抱きしめられる度私は切なくなる。

テルさんは私を抱く事はあるけど"好き"だとは言わない。

どれだけキスをしても身体を重ねても言わない。

嫌いな奴とキスが出来る程起用じゃないと思うし
・・・そう思いたい。

私だってテルさん以外の人と、と思うと吐き気がする。
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