Short Dream
□Clover
1ページ/7ページ
「あ、名無しさんちゃんコレあげる。」
はい、とタクローさんに渡されたのは透明の袋に入った小さいクローバー。
しかも四つ葉の。
「え、どうしたんですか?これ。」
「前に名無しさんちゃん四つ葉のクローバー見たことないって言ってたでしょ?だから。」
・・・・そういえば、と思い出す。
前にライブ後の打ち上げで小さい頃はよく道ばたの花や草とかで遊んだりしたよねぇ〜なんてスタッフやメンバーも交えて思い出話しをした気がする。
その時になんとなく“私 四つ葉のクローバーって見た事無いんですねぇ〜一度見てみたいな。”なんて話しをした。
本や絵なんかでは目にするけど実際に見た事はなかった。
確かその時に私の左隣にスタッフがいて右隣にタクローさん。その横にテルさんが座っていたと思う。
「でも結構前の話しなのによく覚えてましたね」
言った本人ですらなんとなくしか覚えてないような他愛ない話だったと思う。
すごいなぁタクローさんは、と彼を見るとハハっと笑った。
「いや、本当にビックリだよ。」
「?」
意味が分からなくて私が首を傾げていると少し困ったような顔してタクローさんは話を続けた。
「実はさ、名無しさんちゃんには黙っておくように言われたんだけど・・・」
「え?」
「それ、探したのテルなんだよね。」