Short Dream

□リトル ラブ+
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久しぶりの屋外撮影。
吐く息は白い。

それほど寒くはないけど冬になると思い出すのは生まれ故郷。

慌ただしく働くスタッフ達を見ていると俺達の為にこんなに一生懸命になってくれる事に感謝しつつ、こうやってたくさんの人たちに支えられてここまできたんだと改めて実感する。

メンバーもスタッフも俺にとってとても大切な人たち。



そして




一人、特別な子もいる。



チラッと隣に立つ彼女を見上げると寒いのだろう、彼女は自分の手をこすり合わせている。


彼女の名前は名無しさんちゃん。


歳は離れているけど年齢の割にはしっかりとしていてキチンと仕事もこなしてくれる。
彼女の側はとても居心地が良くて見つけるとつい近寄ってしまう。

彼女の笑顔やふとした言動に年甲斐も無く胸を締め付けられる。



“恋の病”

なんて言葉がピッタリかもしれない。



『今日は寒いですねぇ〜着込んでも着込んでも足りないくらいです。』

『そうだねぇ〜。でも俺は雪国育ちだしまだ大丈夫かな。』


じっと見つめていた為いきなり話しかけられて少し緊張してしまった。

大丈夫か?俺。


顔を見る事が出来なくなり視線を下へと落とす。

『それにしても名無しさんちゃんは着込みすぎじゃない?』

『いやぁ寒さには慣れてなくてですねー』


寒いと言っていた彼女は何枚も着込んでいるようだった。

きっと他の子がしていたら何とも思わないそれも名無しさんちゃんだからか無性に可愛く見える。


“恋は盲目”

とにかく可愛くてしょうがないみたいだ。


・・・それにしても上に着てるパーカー少し大きいんじゃない?



『でもその上に着てるパーカー可愛いね。・・・それメンズ?』


『あ、コレですか?これ実はジローさんのなんです。』

『え?』






ジローの?なんで??


二人ってどうゆう関係?



とにかく混乱してしまいグルグルと余計な思考が回っている。




頭の中真っ白だ。
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