Short Dream

□リトル ラブ
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「今日は寒いですねぇ〜着込んでも着込んでも足りないくらいです。」

「そうだねぇ〜。でも俺は雪国育ちだしまだ大丈夫かな。」


冷たい風が頬を撫でる。
本日は撮影の為、屋外へ。

私の隣に座っているテルさんはモニターをチェックしたりスタッフと楽しく談笑したり話し込んだりしてる。

笑う顔がとても無邪気で私より年上なのに少年のように幼く見える。


(かわいい人だなぁ〜。)

心の中でつぶやいてみる。


「それにしても名無しさんちゃんは着込みすぎじゃない?」

「いやぁ寒さには慣れてなくてですねー」

「でもその上に着てるパーカー可愛いね。・・・それメンズ?」

「あ、コレですか?これ実はジローさんのなんです。」

「え?」


そう、これはジローさんが貸してくれたパーカー。
あまりの寒さにガチガチになって作業していた私に私服で持って来てたらしいパーカーを貸してくれた。

遠慮して断ったけれど『いいから』と言われ半ば無理矢理渡された。
迷ったけどせっかくの好意を無にできるわけもないし、何よりこの寒さには勝てなかった。

メンズだから少し大きいけれどデザインがとても可愛い。
ジローさんはセンスも良くて優しいんだと感動した場面だった。

きっと“寒い寒い”って連発してたから見るに耐えなかったんだろうなぁ〜。
なんて、ぼんやりとさっきの事を思い出していた。




「ちょっと来て。」

グイッと私の手を掴んでツカツカと歩き出すテルさん。

「え?え??」


訳も分からず引っ張られるまま連れて行かれた先はロケバスの裏。
大きなバスが影になってスタッフ達のいる場所からは完全な死角。


「ど、どうしたんですか?」



「脱いで。」
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