Short Dream

□恋
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今日は新曲のPV撮影。

朝早くからスタッフ、メンバーもみんな現場に入ってバタバタしてる。

私の仕事はだいたい終わったので、あとはちょこちょこ撮影の合間にメンバーの髪のセットだったり
洋服をなおしたりするくらい。

とりあえず一安心。
正直何度現場に入ってもメンバーのスタイリングしたり雰囲気に慣れない。

でもみんな一生懸命いいものを作ろうと頑張ってる。
スタッフもGLAYが大好きだし彼らもスタッフを信用していてくれるから。

緊張したりもするけどやっぱりやってよかったという充実感は大きい。やり甲斐あるしね。

この仕事やっててよかったなぁ〜!!


「あ、ねぇねぇ。」

「はい?」

使わない道具を直そうとした時に声を掛けられて振り返るとテルさんがいた。
どうやら自分のカットは今終わったみたい。
撮影している方を見るとタクローさんがちょうど撮影中だった。

「あ、お疲れさまです!」

「ん、おつかれ。・・・・・あのさぁちょっと・・・聞きたいんだけど・・・」

どこか歯切れの悪いテルさん。

少しそわそわしていて顔も俯き気味。
さっきの撮影中のテルさんと今ここで私の目の前にいるテルさんはまるで別人のようだった。


「なんですか?聞きたい事って?」

「いや、なんというか・・・・あー!!やっぱいいや!!」

「ちょ、そこまで言ったのなら教えてくださいよー!気になるじゃないですかっ」

テルさんは頭を抱えて座り込んでしまった。
結構つき合い長いけど、こんなテルさんは初めて見た。
ファンの子達に「かわいい」とも言われると聞いていたけど・・・なるほど、こういう所なんだ。

「話せる範囲でいいんで教えてくださいよ。」

「ん〜・・・・うん。」


テルさんはすくっと立ち上がるとくるりと振り返りスタジオの隅の方へと歩き出す。

あまり他の人には聞かれたくない事かな?私も彼の後を付いていく。
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