Parody Dream

□和山課長と部下
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「とぼけないでちゃんと話して」

後ろには壁。顔のすぐ横には両手で目の前には大好きな彼。

逆光とメガネで表情ははっきり見えないけど相当お怒りモードな顔をしてるんだろう。
何とか言えよというオーラはビシバシ感じているんだけどただぼんやりとこれが噂の壁ドンか!なんて思っていたら彼には見抜かれていたらしい。
「余裕だね?」なんて正直ドキッとするような声色で言われて背筋が伸びた。
多分いつもより眉間の皺を深くしてるに違いない。
「い、イケメンが台無しですよ!」えへ、とおちゃらけて言った私にいよいよ怒りが頂点にきたらしい。
ぐっと顔が近くにきて思わず目を瞑ってしまった。
(怖い怖い怖い!)

「ねぇ、俺言ったよね?付き合う時に」

「は、はい?」

「相当独占欲強いよ、て。忘れた?」

「い、いえ覚えてますよ!」

瞑っていた目を開けて少しおどおどしながら伝えるとイケメンのアップ。
あぁ本当に顔整ってるよねーこんな綺麗な顔した人が私の彼氏なんだもんなぁ
怒った顔も素敵だけど付き合う前の爽やかな部長も好きだったなぁ。皆のアイドル!って感じであどけない笑顔で全女子社員を虜にした・・・

「あの時の課長はどこへ・・・」

「何ブツブツ言ってるの?
てかいい加減俺の質問に答えてくれる?」

本音がポロッと出てしまっていたらしい(よかった聞こえてはないみたい!)
いい加減怒りの沸点越えした課長をほっとく事は出来なさそうだ。

「昼休みに話してた奴は誰?」

「遠藤君ですか?隣の課の人です、けど」

「何で隣の課の奴とあんなに親しげに話してたのかって聞いてるの」

「親しくなんて!ふ、普通ですよ!」

「・・・そんな風には見えなかったけどね」

「そんな事・・!て、ちょ、わっ」

顔の隣にあった両手があっという間に腰に回されぎゅっと抱きしめられた。
就業時間は過ぎてるものの、いつ誰が通るか分からない廊下の片隅で男女が抱き合ってるなんて見られたら困りものだ。
しかも相手は課長で私は部下の平社員。
交際だって課長の事を考えて内緒にしてもらってるのに。

慌てて離れようとするけど逆に力を込められてしまった
これはいよいよ危ないぞ!

「課長!離れないと不味いですって!」

「・・・・」

「誰か通って見られたら・・・!」

「・・・いいよ見られても」

「え?」

「そもそも内緒にしたいって言ったのは○○で俺は反対だったし
見られてバレた方が好都合だけど」

「そんな、」

「あー、もうイライラするな・・・・ちょっと黙ってよ」

顎を取られ少し上を向かされると口を塞がれてしまった。
パニックを起こした頭では何も考えられなくて私はそのまま長いような短いようなキスを大人しく受け入れた。



「分かった?俺がどんだけ独占欲強いかって」





和山課長部下兼彼女。





(これからは我慢しないでいくから)
(それはちょっと心臓持ちません!)






END



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