少年陰陽師
□第1話
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「・・・・・何だこれ・・・・。」
腕の中の餓鬼は目を瞑って心地よさそうに寝ている。
そこで俺は気が付いた。
・・・・・・・この餓鬼・・・
俺は神気を弱めちゃいねぇのに何で、こんなに平気そうなんだ?
餓鬼をじっと見ていると、また気が付いた。
「・・・・・・・・・・・・。」
餓鬼は俺の首に掛かっている天珠を握り込んでいた。
「・・・・・・おい。」
す〜す〜
「・・・・・・放せ。落とすぞ。」
餓鬼は一向に目を覚まさねぇ。
そうだ、何で俺はこんなの持ってんだ・・・。
そう思って落そうとした。
でもそこで餓鬼を見るとその餓鬼は
笑っていた。
それはそれは幸せそうに。
「・・・・・・・はぁ〜。」
俺は溜息を深くついて餓鬼の握っていた天珠を一つ外した。