るろうに二人
□対決・相楽左之助
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よくは解らないけれど、彼は前には知らなかった剣心さんを知ったらしい。
「長州派維新志士、緋村抜刀斎。
使う剣術は古流剣術、「飛天御剣流」。」
い・・・維新志士・・・!!!!
剣心さんって・・・維新志士だったの!!??
彼は次々と剣心さんの過去を語る。
「そして今は流浪人、緋村剣心として生きる。」
最後にそう、しめた。
彼の説明で、なんとなく「緋村抜刀斎」について解った。
彼が言うには、本当の喧嘩は相手を知ることから始めるらしい。
けれどそれは、知るということではない。
彼は剣心さんを知ったのではなく、調べたのだ。
知るというのは、相手と過ごして知るもの。
彼の言葉は、私にとってとても矛盾したものだった。
「それで、闘い方はきまったでござるか。」
剣心さんが静かに尋ねる。
「そこよ、問題は!調べても解ったのは大まかな経歴だけ。」
あ、結局調べる言った。
「飛天御剣流ってのは、一体どんななのか、非情の人斬りが、どうして不殺(ころさず)の流浪人になったとか、肝心な所が解らねぇ。
解らねェからこうして、正門から真向勝負に出たってわけさ。」
つまり彼は、剣心さんを知るために、喧嘩をしようというのか?
よくわからない。喧嘩というのは。
人を知るのは喧嘩じゃない。
日々の平凡な日常。
表情(感情)、言葉(こえ)それで相手をしるんじゃないの?
少なくとも私はそう。
「・・・・・・・・・拙者もわからぬ。」
「あ?」
剣心さんの言葉に、彼は声を上げた。
「弱い者イジメを、見るのもするのも嫌うお主が、何故喧嘩なんて理不尽な生業をする?
何故これ見よがしに、悪一文字などを背負ったりする?」
確かにそうだ。
赤べこでは、お妙さんを助け。
あの自由民権運動の壮士のひとたちを追い払った彼が。
どうして悪一文字を背負うのか。
「性根は真直なはずなのに、今のお主はひどく歪んでしまっている。
何がお主をそのように歪ませた?」
「何って・・・・・・」
何かをいいかけ、口を閉じて笑った。
「・・・・・・・やめた。
シケた話は、喧嘩の前にするもんじゃねぇ。」
こんなにも幼く、優しく笑う彼がどうして喧嘩などを好むのか。
「どうしても知りてぇってなら、俺と闘って勝ちな!」
「…わかった、受けてたとう。」
え!!??
「剣心!」
「いいんですか?緋村さん。」
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