るろうに二人
□東京府士族・明神弥彦
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お姉ちゃんが不機嫌そうに口走っている。
この中で堂々と帯刀しているのは、剣心さんのみ。
宗次郎くんは小さいのを隠し持っているらしい。
「わっぱあ。」
「童じゃねえって言ってんだろ!!」
「お主、姿形(なり)はまだ子供だが、心根は一人前でござるな。
すまない。拙者がみくびっていた。」
「ふん。」
弥彦君は、小さく満足げな声を残し、その場を去った。
「意地っ張りというか、誇り高いというか…」
「生意気と言うのよあれは。」
『お・・・お姉ちゃん・・・・・・』
「まあ良いじゃないですか?
お金、返ってきたんですから。」
やっぱりお金ー!!?
そ…宗次郎君にお金借りると、なんだか怖そう……
♪
カランコロンという、高下駄の音。
もう、神谷道場が見えるか見えないかというあたり。
私と宗次郎君は歩いていた。
『剣心さん、もう帰ってるかなぁ・・・?』
「戻ってきてるんでしょうね。
緋村さん、一応買い物ついでに送っただけですし。」
剣心さん…スられたら終わりじゃない。
私達の夕飯、どうするつもりだったんだろ……
でも…
『そっか・・・お姉ちゃん強いもんね。
そこらへんの、ゴロツキさんよりは。』
私とは違って。
「そうですねぇ」
そんな話をしながら、私達は目の前の神谷道場(いえ)へと、足を進め続けた。