るろうに二人
□るろうにの名前
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喜兵衛さんは警官の人の手を握る。
なんだろう?
「そう怒らずに。ここは一つ穏便に・・・」
「ム・・・」
「まあよい。じじいに免じて、大目に見てやるが、次は承知せんぞ。
大人しくしてることだな。小娘。」
「やなこった。いーだ!」
指で口の両端を吊り上げて、お姉ちゃんは言った。
ちょ…この人と知り合いだと思われたくない←
「・・・・・・」
『はぁ…』
呆けるひむらさんの隣で、わたしは深いため息をついた。
「それにしてもあなた、まだこんな所にいたの?」
『あれ?そういえば、そうじろうさん?でしたっけ…?』
「んー彼は、いまちょっと…」
「何か用事でもある訳?」
「いや。別に、そういうわけでもないけど。」
『微妙な答えですね。』
「それより、例の辻斬りについて薫殿、華乃殿。何か知ってるでござるか?」
辻斬り…
そういえば私、辻斬りについてよく知らないんだよね…
というか、お姉ちゃんは聞いたって少ししか教えてくれなかったし…
「ええ…まぁ…
一応、犯人らしき人物は浮かんでもなかったんだけど…」
『え!?』
「隣町の外れに、[鬼兵館](きへいかん)っていう、剣術道場があるんだけど…」
「『鬼兵館?』」
「そ。んで、そこを二ヶ月程前、士族崩れの剣客が牛耳ったらしいのよ。
しかも、その男の背丈が、六尺五寸(約195pほど)もの大男だとか。」
「ほほう」
六尺五寸…って…すごい大男さん!
そんな人と戦おうとしてたの!?
お姉ちゃん!
「怪しいでしょう?
辻斬りが始まったのは二ヶ月程前だし、六尺五寸なんて大男、そうはいないわよ。」
それは、お姉ちゃんの意見。
納得のいくものだから、はっきりと言っている。
パシ。
握った拳を、もうひとつの手で包み込んだ。
「確証がないから、手出しは出来ないけど、近いうち必ず・・・!」