るろうに二人

□るろうにとの出会い
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「はーい!」



普段履きなれていない草履を履いて、門へと向かう。
しょうがないじゃない、そこにあったんだから!




「どちらさまでしょう!」




声をかけて、音を立てて開門する。
門の向こうに立っていたのは、男の人。





「夜分すまないでござる。
彼女は、ここの家の者でござるか?」




一人は赤い髪の毛をしていて、頬に十字型の傷がある優しそうな男の人。

彼女?
思いながら彼に担がれている、黒い髪を見つけた。





「お・・・お姉ちゃん!」



お姉ちゃんは、目を回している。
一体何が……





「あ、やっぱりこの家の人だったんですね!」



もう一つ、声がした。
門の戸に隠れて見えなかった、その男の子。

短い散切り頭の、爽やかな笑みを浮かべた人。
屈託のない笑みは、まっすぐ私を見た。
 




『え、えっと…?』


「彼女は拙者を辻斬りと勘違いし、ちょっと…」

「色々ありまして」

『えっ…!?』



色々?
ちょ、そこのところはちゃんと説明しようよ!




『と、とりあえず道場のほうへ運んでもらえませんか?』

「承知でござる。」




そんな決定を下しているとき、お姉ちゃんが目を開いた。





「ん…あれ…?華乃?…いったぁ…」

「あ、起きちゃいましたか。
取り合えず手当をしようと思うので、そのままにしていて下さい。」




右手と首をさするお姉ちゃんに、黒い髪の男の子が話しかけた。
とりあえず私は喜兵衛さんを呼んできたほうがいいのかな…?








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