るろうに二人
□飛び込む勇気
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いちばんに、思うこと
第十一幕
夜も更け、ご飯も済み、けれどその食卓に剣心さんはいなかった。
彼らが連れてきた…高荷、恵さん?と剣心さんは二人で話しているらしい。
何を話しているのとかは、皆目見当もつかないけれど。
そうしたら宗次郎くんと左之助さんに誘われて、剣心さんと恵さんのいるお部屋の前で……何してるんだろう。
なんて考えていると、小さく縁側の床を軋ませて、お姉ちゃんが部屋を覗こうとしていた。
「出歯亀とはよくねぇな、嬢ちゃん。神谷活心流師範代の名が泣くぜ。」
左之助さんの言葉に、お姉ちゃんはびくっと大きく方を揺らした。
そんなに驚いたのか、それともその言葉にどきっとしたのか。
「仮にも一人の姉なんですから、妹さんが泣きますよ。」
『いや…泣かない…よ…?』
私達の会話らしきものにも、お姉ちゃんはびくっとした。
かと思えば、こちらを振り返った。
「だって×5、帰ってくるなり、二人っきりで部屋にこもってさ―――!!!!」
「よしよし、嬢ちゃんの心配するようなことじゃねぇんだ、安心しねぇ。」
えぐえぐと泣き出したお姉ちゃんの頭を撫でる左之助さん。
……お姉ちゃん………
「そうなんですよ。」
今度は、ぽんっと宗次郎くんが、お姉ちゃんの肩をたたいた。
「じゃあなんでよ〜〜〜」
『お、お姉ちゃん……』
本格的に泣き出したお姉ちゃんに、左之助さんが口を開いた。
「剣は強ぇくせして、人には弱いだろ、あいつ。」
左之助さんの言葉に、お姉ちゃんは黙る。
……確かに、それしかないでしょ。
「女子供には、特に。」
「言えてる。」
「それって、危ないのは緋村さんなんじゃないですか?」
「……言えてる。」
『……………』
逆効果――――ッ!!
駄目だよ、宗次郎くん!それじゃあお姉ちゃんの涙は逆に潤ってくるんだよ!!
場の空気が沈みかけていると、それを邪魔するように、縁側の障子が開いた。
現れたのは、やけに真面目そうな顔をした剣心さんだった。
「左之、宗次郎。異常はないでござるか?」
「おう。」
「今のところは。」
『…?』
異常…?どういうことかな…それって、これから何か起こるような…?
「観柳一派の組織図でござる。二人とも、目を通しておくでござるよ。」
剣心さんから何か…紙を受け取った左之助さん。そして、左之助さんの持っている紙を覗く宗次郎くん。
かんりゅういっぱって…?組織図って何…?