るろうに二人

□逃走麗女
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大人っぽくて
素敵な彼女

けれど中身は

すごくお茶目だった




いうなれば、狐?
















第十幕






神谷活心流道場。




「剣心ー?」




少し遠いところから、お姉ちゃんの声がした。
剣心さんを探しているみたい。



「ねぇどこー?」



パタパタ〜と、その足音は少しずつ近づいてくる。



「ねぇったら」



ドタドタ



「宗くんもー」



隣の座敷の障子が、パタンと閉まる音。




「二人してー」

『……………』




部屋の障子が開かれて、反射的にそちらを見る。
お姉ちゃんと私の視線がぶつかると、障子は閉められた。

……何事?
二人とも、いないの?




「剣心ー?」





部屋を出て、お姉ちゃんを追いかけた。
当の本人がいたのは、はばかり前。
現代で言えば、トイレ。




「へんだな、どこにもいない…」

『え、いないの??』



そ、それって……



『「(まさか!!!)」』




お姉ちゃんと私の頭に、良くない想像が浮かぶ。

旅立った………?




「剣心ならさっき、左之助が連れてって、面白そーって宗次郎もついてったぞー」




てくてくと、通りかかりの弥彦君が言った。その一言に、私はほっと胸を撫で下ろした。

お姉ちゃんは疑り深く、弥彦君を捕らえた。






「本当?」

「嘘ついてどうすんだよ。華乃、これ洗濯!」

『え、あ、うん!』





弥彦君に汗まみれの手拭いを放り渡され、私は見事にきゃっち!
しかし弥彦君の頭には、お姉ちゃんのゲンコツが降った。
ボカッ

自業自得だよね。











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