るろうに二人

□心境の変化
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あなたがあぁいったとき、心のどこかでほっとしてた私って…


酷い…よね








第九幕








その日の夜、宗次郎くんが私の部屋へ尋ねてきた。




「華乃さん!」

『はい?』




いかにも通りかかり、と言ったように、水の入った桶を持っている。
井戸の方にでも、行ってたのかな?




『何か用?』

「今日の昼間、どなたか来ていたんですか?」



『へ?』



昼、間……






「協力してッ!!!」






「華乃さん?」

『!』





宗次郎くんの不思議そうな声で、私は現実に引き戻された。
やけに顔が近くて、吃驚して飛びのいてしまったけれど。




『!!??』

「どうか、しましたか?」




ゆっくりと、優しい口調で。
首をかしげながら、宗次郎くんは私を見ている。

なんでだろう、なんだか…
首の少し下が……もやもやする…




『えっと…ちょっと、ボーっとしてたみたい…?』




誤魔化したようにわらい、後で手を組んだ。
その誤魔化したような笑みに、気づいたのか気づかなかったのか。
宗次郎くんは、にこぉ〜っと温かい笑みを浮かべていた。
今の私にとっては、呑気だなぁとしか、受け止められなかったけど。




『お昼…お昼ね……。ええっと…友達、が来てたの。』


「!ご友人!!いらっしゃったんですね!」


『ど、どういう意味!?
っていっても…今日出来たばかりなんだけどね…』


「は…?」




あ、不審に思われた!?




『あ、ううん!なんでもないよ!私、剣心さんの手伝いをしてくるねっ!』

「…?」



不思議そうに、顔を傾けている宗次郎くんをその場に残し、私は剣心さんがいるであろう台所へと向かった。











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