るろうに二人

□梨倉綿衣
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唐突な、その出会いは






私の心に、変化をもたらせた。









第八幕




小国先生の診療所からの帰り。
お姉ちゃんと弥彦くんは、出稽古に。
剣心さんと宗次郎くんは、買い物に。(お酢とか、お米とか、お醤油とか)


結果、今日は一人で帰ることになった。

心配性なお姉ちゃん、今日は早めに帰りなさいねと。
取り敢えず素直に、こんな時間……3時頃に、家路についていると言うわけ。


別に良いのにな〜と、頭の中にお姉ちゃんを思い浮かべる。







「なぁ、あんた…神谷道場のひとやんな?」


『へ?』








急に後から、関西弁な声がして振り返る。

そこに立っていたのは、私とそう歳の変わらなさそうな女の子。


少し、赤を帯びた胸くらいまでの黒髪を、二つに分けてくくっている。
目は赤茶色。
着物は黄色くて、ところどころに橙色の蝶が描かれている。


ハッキリ言っちゃうと、可愛い。


何の用だろう、そう思って口を開く。








『えっと…何か、ご用ですか?』


「今聞いたやん。あんた、神谷の人かーって。
どうなんよー。」









少しむすっとしながら、その子は言う。







『え、えっと…はい…神谷華乃…です。』








流されやすい私は、戸惑い気味にそう答えた。






「そうか…あ、ごめんな。まだ名乗ってなかったわ。

ウチの名前は梨倉 綿衣【ナシグラ ワタイ】」










綿衣、とその子は名乗った。















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