るろうに二人

□悪一文字
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その過去はあまりにも、残酷なもの







第六幕






剣心さんも斬左さんも、互いに構え見据え合い続ける。




「いける!抜刀斎の一撃をくらってもビクともせんとは…これは、もしかして…!」




伍兵衛さんが独り言、とまでは行かないくらいに声を上げて斬左さんを絶賛する。
けれどそこで、喜兵衛さんが何か言っているが、私達の方まで声は届かない。




「喧嘩第二章、いくぜ!!!」




斬左さんは、斬馬刀…とやらをブンッと振る。



「!?」



剣心さんに当てるつもりだった斬馬刀は、空振った。
そこで、その空振りした斬馬刀に重みを感じたのか、目でそっちをみる。
剣心さんは斬馬刀の刃の上で、逆刃刀を構えていた。




「第二幕ではなく、これで終幕でござる!!」




剣心さんが声を張り上げ、斬馬刀の上を駆けていく。




「グッ」




そのまま斬左さんの肩に当たる。




「くおおお!!」




斬刃刀を剣心さんがいるであろう、後ろに向かって斬刃刀を振るうがまたも空振り。
もう、自棄になっているみたい。


ドドドドドドドドドドドドドド
剣心さんは連撃を繰り出す。




「!!!」




あまりにもそれが速すぎて、斬左さんはただただそれを受けると言う形になってしまっている。
やっぱり、こういうのは怖くて、思わず何度も目を瞑ってしまう。

少しの間、そうしていると、ドシャっと誰かが倒れる音がした。
バッと顔を上げると倒れていたのは斬左さん。




「飛天御剣流、土龍閃。」




剣心さんが、先程繰り出した技の名を言う。




「もうこれで、無意味な闘いは終わろう。
何よりも、これ以上お主に剣を向けたくはござらん。
大人しく、負けを認めるでござるよ。」




斬左さんは、黙った。





『…うご…かな…い?』

「別に死んでる訳ではないと思います、華乃さん。」





死んだ?とでも言いたそうな私に、宗次郎くんは言った。
すると、斬左さんに動きが見られた。

瞳孔が開かれ、相手を倒すという意識しかなさそう。





「負けられねぇ…相楽隊長に、俺達赤報隊に、悪一文字を背負わせ、正義ヅラしてる奴らには、絶対に負けられねぇ…!」


















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