るろうに二人

□喧嘩の男
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どううして、喧嘩なんてするのか。
私には、楽しいとは感じられない。

傷つくのは嫌だ。

だからこそ、この道を進んでいる。





第四幕






「おろ?」

「だからあ、当分生活費の心配は無いのよ。」



お姉ちゃんがなにやら嬉しそうに、出てきた。



「押入れ整理してたら、出てきたの!
おじいちゃんが描いた―」


ひらっと、掛け軸らしきものを開いた。




『あ、それって・・・』

「ああ!」

「おお」


「「落書き!」」

「水墨画!!」




お姉ちゃんが必死に否定した。
うん、どこをどう見ても落書きには見えないよね!




「うちのお祖父ちゃん、剣術家であると同時に、
ちょっとした、水墨画家だったの。
これを売ればお金になるわ。
  あぁ・・・ありがとう・・・お祖父ちゃん。」

『売っちゃうんだ。』

「現金な女だ。」

『や・・・弥彦く・・・』



「と、言うわけでお昼は牛鍋やでパーッとやりましょう!」

「人が下手に出りゃいー気になりやがって!」


弥彦君は頭にタンコブ二つ、手には竹刀を振り回して、
剣心さんに抑えられていた。



『・・・・・・止めたのに・・・・・・』

「無駄でしたね。」



そう言って、あっけらかんと微笑む宗次郎君に、私は少々脱力した。




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