るろうに二人

□東京府士族・明神弥彦
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小さな手を、犯罪に汚す少年





第三幕





その日は丁度、お姉ちゃんの出稽古と、私の小国先生のところでの勉強(医術)を教わる日で。
四人してある橋の上を渡っていた。

ちなみに、剣心さんはお姉ちゃんに。
宗次郎君が、私についてきてくれることになった。
夕飯のコトもあって、帰りはお姉ちゃん一人で帰るみたい。


ドン



「おろ」




剣心さんの後ろに、小さい男の子がぶつかりに行った。



『ふぇ・・?』

「ん?」

「待ちなさい!」

「ぶ!」



お姉ちゃんは、その子を背中から倒した。


「剣心、この子スリよ!!これ、あなたのサイフでしょ!!」


じゃらんと、音を立てた袋は、音姉ちゃんの手に握られていた。
ど・・・どうやって盗ったんだろう・・・あの子・・・。



「ちくしょう!離せこのブス!」

「うわあ・・・威勢が良いですね。」

「ブ・・・失礼ね!
これでも巷じゃ剣術小町って、呼ばれてんのよ!」

『まあまあお姉ちゃん。』

「るっせえ、ブス!」

『き・・・君いぃぃぃ・・・』



あぁ・・・!!
火に油を注ぐようなマネをしないで!!!
それすっごい逆効果だから!

剣心さんは、お姉ちゃんの荷物を持ったまま硬直。(というか絶句)
宗次郎君は道を尋ねられ、(知らない人)教えている。

って、宗次郎君何してるの!!??



「まあまあスられたものは、仕方ないでござるよ。童(わっぱ)。次は捕まるなよ。」



そういって剣心さんは、男の子にお財布を渡した。




「さっ。行くでござるよ。」

「ちょっ・・・ちょっと剣心!」

「緋村さん…お金…僕のもちょっと混じってたんですけど。」

『ええっそっち!?剣心さん…いいんですか?』




というか、この二人お金の貸し借りしてたんだ……
一緒に旅してたのに・・・?

そのとき、剣心さんの頭にさっきのお財布が投げつけられた。



「俺は童じゃねぇ!!
東京府士族、明神弥彦!
他人から憐れみを受ける程、堕ちちゃいねえ!
一丁前にてめえが刀差してやがるから、ちょっとからかってやっただけだ!」

「む〜〜」

「はーお金返ってきてよかったー。ちょっと緋村さん僕の分返してください」




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