るろうに二人

□るろうにの名前
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名前を知るって結構大事なことだと思う






第二幕




すっかり日が昇り、町も賑わってくる。
夜明けまでのシンとした雰囲気が、嘘みたいに。

そんな、賑わった町中を、私達三人は歩いていた。




「あら?捕り物かしら?」




近場から聞こえてきた喧嘩のような効果音に、お姉ちゃんは呟いた。
格好からして警察の人かな…





「こら 暴れるな!」

「神妙にせい!」



『・・・』



周りの人たちの騒ぐ声で、様子がよくわからない。

こういう現場、初めてみるかも…

周りの人が途切れたところから、犯人さんらしき人の顔が見えた。




「!!流浪人!」

『あっ…昨夜の……』

「あなた何してるの!?」




私達の声に気づいた彼は、こちらを見上げる。
お姉ちゃんは彼らのほうへ走りながら、寄っていく。
私も、ひむらさんが見える位置へ移動する。



「えーっと、華乃殿と・・・おー薫殿でござったか!
女性の恰好なんで、一瞬わからなかった。」



ひむらさんは、にぱっと純粋な笑みを浮かべる。
あちゃぁー…




「たすけてやんない」


彼の一言により、お姉ちゃんは機嫌を損ねたみたい。
私の背を押しながら、喜兵衛さんの元へと戻ろうとした。

少し可哀想だけれど、まあ自業自得だよね。




「おろろ〜〜〜。」



けど、やっぱり警察の人が関わっている訳だから、お姉ちゃんは助けることにしたらしい。





「ったくもう。何、やらかしたんです。この人。」

「見ての通り、廃刀令違反だ。ん?
確かお前達は、人斬り抜刀斎の、道場の――――」

「それは、濡れ衣だと、言ってるじゃないの!」

「な、何だ、その言い草は。貴様、官に盾つく気か!」


『・・・・・・・・・』




こ・・・これはもう苦笑するしかないよ・・・・・・。
お姉ちゃんもお姉ちゃんだけど、警官さんも警官さんだよ…



「官・・・官って・・・お上の威光を笠に着て、威張ってるんじゃないわよ!」

「と・・・止めなくて、いいでござるか?」

『いや…私が止めても無駄なんで…』

「そうでござるか…」

「まあまあ、お待ち下さい。」




そんなこんなしてると、喜兵衛さんが割って入ってきた。




「何だ貴様は!」

「喜兵衛」



お姉ちゃんは少し落ち着いたように彼の名を呼ぶ。




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