るろうに二人
□るろうにとの出会い
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あの日
あの時
あの場所で
あの人に出会えたのは
やっぱりお姉ちゃんのおかげかな
第一幕
明治十一年東京下町
『はぁ…お姉ちゃん、遅いな…』
居間の机に顔を伏せ、眠たい目を一生懸命開く。
最近、ばっと、うさい…だっけ?
確かそんな名前の人が、うちの道場の名を語って、辻斬りを働いているらしい。
そして師範代である私の姉は、その辻斬りを探しに出かけている。
それにしたって今日は遅い。
いつもなら、私の目蓋が重くならないうちに帰ってくるはず。
どうしたんだろう…
遭遇して、怪我したとか!!??
それかし…死んじゃってたら…っ
「ないないない!!そんなこと、絶対にない!!」
ありえ、ない、よ…ね…?
〔どんどんどん!〕
「わっ!」
困惑していると、門をたたく音がした。
こんな時間に…お客さんかな…
「誰だろう・・・・・・?」
取り合えず、出てみないことには分からない。
喜兵衛さんは今、お姉ちゃんの夜食を作っているし。
「出よう。」
小走りで玄関の方へと向かった。