Reason Hack

□義之るーと☆
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朝:芳乃家・義之私室

ななか「今現在、朝の七時です。 義之君はまだ布団の中・・・・ぐっすりと眠っております」

 ニヤニヤと笑いながら、“学院のアイドル”と呼ばれる『白河ななか』が誰にともなく小声で呟く。

 そして――

ななか「おっきろーー!!」

 と大声で義之を起こしながら、その暖かそうな羽毛布団を勢いよく引き剥がした。

ななか「よしy・・・・っ!!?」

 はいいが、中の光景を見て絶句する。

義之「ぅ〜〜・・・・寒いよ、おとねぇ・・・・布団剥が、さないで・・・・・・」

音姫「おとうと・・・・くぅ〜ん」

 布団の中では、恋人の『桜内義之』と、“生徒会副会長”で完全無欠お姉ちゃんの『朝倉音姫』が半裸で抱き合っていたのだ。

ななか「な、ななな・・・・・・何しとんじゃーーーーーー!!??」

――――
――




朝:芳乃家・居間

 盛大に布団と義之を投げ飛ばした後、ななか達は居間に移動していた。

 上座の方・・・・コタツに一人陣取るのは、裁判長の白河ななか。

 下座の方・・・・冷たい畳の上に正座をさせられているのは、被告人・桜内義之と朝倉音姫。

 義之に至っては、冷たい冷たい鋼板の上で、中身がぎっしり詰まったさくら秘蔵の漬物壷を抱えさせられている。

 鋼板の上で潰されている脚は痛々しく、ななかの深〜い愛情の現われを感じさせる。 義之は、下に三角柱状の棒が並べられなかっただけ、彼女に感謝するべきだ。

ななか「さて・・・・何か申し開きは?」

義之「あ、あのだな、ななk・・・・」
ななか「はい、ありませんね。 音姫さん」

音姫「はっ、ひゃいっ!?」

 自分から聞いておいて、裁判長は容赦なかった。

 光を感じさせない冷たい瞳に射抜かれて、音姫は肩を震わせながら舌を噛む。 もう既に半泣きだったが、舌の痛みが身体の震えを押さえ込んだ。

ななか「判決を言い渡します」

義之「ええぇ!? もう!? まだ何も・・・・・・」
ななか「・・・・・・・・」

義之「・・・・・・いえ、何でもありません。 ゴメンナサイ」

 自分に非があるとはいえ、少し視線が合っただけで白旗を上げるとは情けない。 もう完全にななかの独壇場である。

 人間社会の全ての規則を決めるのは法。 そして今、この二人の法を司るのは、紛れもなく白河ななか裁判長その人であった。

 例え生徒会副会長といえど・・・・否、その程度の身分の人間が、法を司る者に勝てる訳がないのだ。 司法国家に栄光あれ。

ななか「判決。 主文、被告人・朝倉音姫に、桜内義之との一週間の接触禁止命令を言い渡す」

音姫「ええ〜〜!? い、一週間〜〜〜〜!!??」

 余りにも無慈悲で重すぎる刑罰に、音姫は涙目で情けない悲鳴を上げた。 このダダアマなデレ姉にとって、これは死刑宣告にも等しい。

ななか「判決。 主文、被告人・桜内義之に、白河ななかからの一週間の命令強制を言い渡す」

義之「・・・・・・え? それって、一週間、ななかの命令を絶対に聞けって事?」

 今の自分の拷問の様な状態から、もっとえげつなくて残酷な仕打ちが待っているのでは、と勘ぐっていた義之は、自分の予想よりも遥に軽い刑を聞き、内心胸を撫で下ろしていた。

ななか「うん、そうだよ♪」

義之(はぁ〜〜よかったぁ・・・・・・それなら何とか・・・・)

 さっきまでの能面の様な恐ろしい無表情と打って変わり、いつもの可愛くて見惚れてしまいそうな笑みに安堵する。

 ・・・・・・が、甘い。 甘過ぎる。 マッ○スコーヒーXよりもダダ甘だ。

ななか「〜〜〜〜♪」
音姫「よよよ〜〜・・・・・・」

 機嫌よく鼻歌を口ずさむななかと、滝の様に涙を流して崩れ落ちる音姫。

 対照的な二人に天獄へと誘われる事など・・・・・・




義之「も、もしかして、ご奉仕を強制させられるとか?」

 このエロバカタレは知る由もない。


 続く――
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