100のお題に挑戦!
□[003]構ってー
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ある朝。
一番心を許す召使いの猫耳の良守が起床の時刻を過ぎても起きて来ない俺を心配しにやって来た。
コンコン‥
「王さま!起床の時間です。入りますよ?!」
俺はまだ眠たくて返事もせずベッドにもぐったままだった。
「王さまっ!!早く起きて下さいませっ!」
ガバっと毛布をめくりあげると、そこにはとても眠そうな表情プラス垂れ下がった耳の王さまがいた‥。
猫の良守は状況を察し、
「‥失礼します。」
と、一言かけてから耳を撫で始めた。
「オレは‥あ!ワタクシは、王さまが甘えるのが好きなんだって事、前から気付いていました。でも、それを王さまは隠そうとするから、気付かないフリをしてました。」
『‥‥‥。』
「でも、ここまで我慢されると体に毒です。こんなに耳に力が入らないんだったら、体にも力が入らないでしょうに‥。こんな状態になる前に‥オレに甘えて下さい。少しは気が紛れるかもしれませんし、もちろん決して口外はいたしません。だから、その!あの‥あっ///」
言葉の途中で自分が恥ずかしい事を言っていると自覚し、赤面し声色が小さくなってきた時、いきなり手首をつかまれベッドに引き寄せられ抱きつかれる
『‥じゃ、たのむ///』
「おう‥さま? ‥はい。」
素直に甘えてくる王さまに少し驚いたが、すぐに目元がゆるむ。
頭を抱え込むように柔らかく包み込み耳を撫でる。
「‥じゃ、優しく撫でさせてもらいますね?」
以後、毎晩の様に猫の良守は寝室によばれ抱き枕のように抱かれる事となった。
威厳ある立派な王さまは実は甘えたの構ってちゃんだという事を知ってるのは自分だけだと思い、嬉しくてたまらない猫ちゃん。
さぁ。これからもお国の為に、王を癒やして差し上げて下さい。
‥と、あたたかく見守る召使い達、実は結構みんなにバレバレなのでした★(笑)
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