山ツナ骸
□幾千の夜@
1ページ/3ページ
―――……かしゃん。
ペンの落ちる音がした。
「なんですって…?
もう一回言って下さい。」
クロームは困ったように話し始める。
「…昨日。
ボスが御亡くなりになりました。」
幾 千 の夜
クロームの話はこうだった。
昨日の敵対ファミリーとの会談で、
『彼』は撃たれてしまった。
部下達が着いた頃には、
もう死んでいたらしい。
「…そうですか。
葬儀はいつですか、僕も行きましょう。」
それが、
とクロームは話しだす。
「葬儀は……。」
『無い』そうです。
――……その時。
自分の中で、何か切れる音がした。