†novel† NEW!0901『ひどく愛してる。』

□幸福感
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幸福感
〜コウフクカン〜







ぐぅぐぅぐぅ






ぐぅぐぅぐぅ

どすっ
「ぐぅえ」

「ただいまあー銀ちゃあん」

人がせっかく気持ちよく寝てるところにいきなり乗られては堪らない。
かっこいい銀さんが蛙が潰れたような変な声出しちゃったよ。銀さん恥ずかしい。神楽ちゃんもっとましな起こし方をしような。お願いします。今財布に1円あるからそれあげるから。
「銀ちゃあん」

ぐぅぐぅ
乗られるのは毎度のことで思った反論を口に出すのがめんどうに思った銀時はまだ寝てるふりをした。どうせ起きてもやることないし、まだ寝ていたい。
顔に被せてたジャンプのおかげで目が少し開いてしまったのだが幸い気付かれてなかったようだ。

ぐぅぐぅぐぅ


ごきっ
「いだだあ!ちょっ足、足踏んでる。どけ神楽あ!」

涙目で訴える。
華奢な腕にどこにそんな筋肉があるのか力任せな腕力で足に体重をかけられた銀時は、流石身の危険を感じて神楽を押し退いた。その拍子にばさっとジャンプが机の下に落ちた。


「はんっ夜兎族なめんなヨ!銀ちゃんそんな寝たふりなんてしてたら襲っちゃうネ!」

ムカついて出た銀時の鉄拳を避け、くるっと無駄に華麗な後転とびを決めたら満足気に物騒なことをのびのびと言い放つ。
ぁ、コラ人に指向けるな!


「はあ。たく神楽ぁ銀さんの大切な安眠を邪魔するなよ・・・」
被害者は不満そうに頭をかいた。

「でも・・・銀ちゃん起こされて特したヨ!」
唐突に目を細め優しい笑顔を見せた神楽の顔に少し目を丸くした。
「はあ・・・?な、にが・・「おい銀時邪魔するぜ?」

また唐突な恋人の訪問に驚いて玄関の方を見て神楽の方に顔を戻した時固まった。目の前が綺麗な青い瞳でいっぱいだったからだ。

「だから襲うっていったアルネ」

気が付いたら神楽の顔がちゃんと見えて唇に甘い味が少しした気がした。
神楽はまた得意気に笑みを見せて部屋の奥の方へ行ってしまった。


「おい。銀時何惚けってんだ?その変な顔をなんとかしろよ」
乱暴な言い分とは違いどこか優しい声色を含んだ言い方に銀時は惚けたままの顔を上げた。

「一ヶ月ぶりだな。やっと休暇貰えたんだ。こちとら坂田銀時ギレなんでね。なあいいだろ?」


「んん」


ちゅ・・・ちゅる
ちゅく

今日はなんだかあっけに取られてばっかだな。でもこんな日も悪くない。



銀時は素直に恋人の要望に答えて一ヶ月空いた寂しさをじんわり埋めていった。





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なんだか幸福ってこういうことをいうのかな。
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あとがきは次のページですノシ
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