記念品

□三万打記念


あなたが目の前の扉を開くと、そこは不思議な空間が広がっていました。


『いらっしゃい。それとも初めましてのお客さんかしら。私はマザー・グース、人の生を記録する本よ。他の本からはマザーと呼ばれているけれど、“燃え残ったページの物語を記録していた本”と言った方が、あなたには伝わるかしら』


『その本がどうして今ここに存在するのか不思議?おばあちゃんも何だか変な気分よ。でもそれはね、ここが図書館とは同じ場所でも、違う世界だから有り得る事なの。つまりここに出て来る登場人物は図書館の世界と同じでも、本当のお話とは異なると言うわけね。ふぃくしょんってものよ、ふぃくしょん』


『ここではあなたはラッパの筆者として、図書館での一日を過ごしてもらうわ。行い次第で結末も変わるみたいだけど、そんなに難しい物にはなっていない筈よ。それにここでは怖いお話しもないみたいだし、気軽に楽しんでもらえたらおばあちゃんも嬉しいわ』


『大体の事はこんな感じね。要は節目を迎えて、感謝の気持ちを変わった形で伝えたかったのよ。それじゃあページを開いてもいいかしら?準備が出来たのならいってらっしゃい』
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