BLACK作

□10000回の愛してるを君に。
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サスケ「っ…ナメた真似を…!」

ひきつった笑顔で体勢を整えたサスケは、顔の横でチョキを構える。

ナルト「へ?」

チチチチッ…。
二本指の間に小さな千鳥を作り、ニヤリと笑って膝を曲げる。

ナルト「だったら!」

ナルトもすかさず、手のひらにビー玉程度の螺旋丸を作る。

サスケ「千鳥!」
ナルト「螺旋丸!」

プ千鳥とビー玉螺旋丸が衝突する。
と、二人の視界に乳白色が拡がり、ぬるま湯に浮いている様な感覚が身体を包む。
感覚器官は計器が狂った様に朦朧として、身体はまるで夢の中にいる様に自由な挙動を喪失している。
すると辺りに…いや、脳に直接と言った方が正しいだろうか、まるで水中で聞くラジオ放送の様な残響掛かった声が響いてきた。


「愛してる」の言葉じゃ足りないくらい君が好き
「愛してる」の言葉を10000回君に送ろう

いつもどこにいたって気にしてるのは一つだけ
君は笑ってますか?
それともちょっぴりブルー?
きっとみんな抱いてるそれぞれの特別を
僕にとって紛れもなくそれは君だから

「愛してる」の言葉じゃ足りないくらい君が好き
今すぐ君に会いに行こう
この青い空を飛び越えて

どれほど時が経ったって関係ないよ君が好き
どんな台詞並べても伝えきれないこの想い

「愛してる」の言葉じゃ足りないくらい君が好き
「愛してる」の言葉を10000回君に送ろう


目を醒ますと、二人は並んでキッチンに倒れていた。

サスケ「…お前の声が聴こえた。」

ナルトが体を起こして手を延ばす。

ナルト「俺にも、お前の声が聴こえたってばよ。」

その手を取りサスケも体を起こす。
目を合わせた二人は、堪え切れずに笑いを洩らした。

ナルト「ぷっ…はは…。」
サスケ「…フッ…。」

親指を絡めて手を握り直し、二人は立ち上がる。

ナルト&サスケ「一流の忍は拳を合わせただけで相手の事が解ってしまう。」

ナルト「くくっ…。」
サスケ「ふふふ…。」

ナルトがサスケの肩をバシバシ叩くと、サスケもナルトにデコピンを見舞う。

ナルト「笑いすぎて腹痛ぇー。」
サスケ「ウケ過ぎだ。…あーあ…片付けが大変だなこりゃ。」

髪を掻き上げながら辺りを見回す。

ナルト「俺がチャチャっと片付けちまうから、サスケは風呂の準備頼むってばよ。」
サスケ「風呂?」
ナルト「鏡見てみろよ。全身、クリームと粉まみれだぜ。」

サスケの鼻に付いたクリームを指で取り、口に入れる。

サスケ「まったく…。恥ずかしいのは脳内だけにしとけ。」
ナルト「お前もな。」

愛してるの言葉を、100万回君に送ろう。
Baby I love you.



出展:Rake/100万回の「I love you」
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