BLACK作

□木の葉のこの子、元気な子
3ページ/3ページ

― コンコン ―

サクラ「帰ってる?」
サスケ「あぁ。開いてる。」

サスケに促されて玄関を開けたサクラは、ナルトの気配を浴室に感じて腰を下ろす。

サクラ「どうだった?」
サスケ「上々だ。」
サクラ「それは何より。」

素直にニッコリ笑うサクラには、流石のサスケも敵わない。
いっそ裏が有る時の方がやり易いくらいだ。

サスケ「礼だ。持って行け。」

全収穫量の4割程度を、籠に入れてサクラに渡す。

サクラ「こんなにいいの?」
サスケ「あぁ。と言うか、問題は量じゃないんだが。」

そう言われてサクラは籠の中身を確認する。

サクラ「カヤタケ、クリタケ、ムキタケ…美味しそうね。…って、なにこの松茸?!大っきい…。」
サスケ「ナルトが見付けた。持って行け。」

しばらくその立派さに見蕩れていたが、やがて己を取り戻したサクラは残りのキノコの確認を再開する。

サクラ「これ、シロキクラゲ?」
サスケ「確か薬効があっただろ?群生してたから採取しておいた。」
サクラ「ありがと。」

サクラは、食べられる〜食べられな〜い、と口ずさみながら楽しそうに籠を漁る。
と、一本のキノコを見付けてサスケを睨む。

サクラ「サクラタケ…。」
サスケ「俺じゃない。ナルトの奴が、綺麗なキノコを見付けたからサクラに土産だって持って来たんだ。」

む〜、と唸ってから、そういう事なら貰っておくわ、と照明にかざす。

サクラ「確かに綺麗よね…サクラタケ。」
サスケ「…まぁな。」
サクラ「…。」
サスケ「………毒キノコだけどな。」
サクラ「キーッ!」

サクラの爪を紙一重で回避するサスケ。
攻防を繰り広げる二人の耳に、ナルトがタオルをパタパタやる音が聞こえてきた。

サスケ「そろそろ出てくるか。」
サクラ「じゃあそろそろ私も帰るわ。…そうだ、アレ、教えたの?」
サスケ「お前の誕生花は松茸だ、って?言ってない。あんまりからかうと拗ねるだろうからな。」
サクラ「それもそうね。じゃ、キノコパーティー楽しんで。」

そう言って立ち上がったサクラは、サスケの取り分の中にやたらと極彩色のキノコを見付ける。

サクラ「ナルトで遊ぶのも、ほどほどにね。」

親指をグッと立てて自信に満ちた顔をするサスケ。
サクラは、お大事に、と浴室に向けて囁き、籠を背負って帰っていった。

サスケ「さぁ、キノコパーティーだ…。ハッピーバースデー、ナルト…。」

サスケの邪気に寒気を感じたナルトが、もう一度湯槽に浸かった結果、湯あたりした状態で発見されるのは、数十分後の出来事である。
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ