BLACK作
□本の日に焦げた恋
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数日後、健二の携帯にOZからメールが届く。
“OZ Online Shoping を通じて [KAZMA] 様より贈り物が届いています。下記を確認の上 問題が無ければ [受け取る] を 受け取りを拒否したい場合は [受け取らない] を 選択して下さい。 商品名:[クマさんの四季] category:[書籍] message space:>>
誕生日とか知らないから。取り敢えずプレゼント。 [受け取る] を 選択した場合は アカウント登録時の御住所に発送させて頂きます。 [受け取らない] を選択した場合は その旨を贈り主様に通知の上 商品は贈り主様に発送させて頂きます。 お問い合わせは… ”
健二「本?電子書籍じゃなくて本か。なんだろ?まあ受け取らない理由も無いんだけど…。あ、後でお礼のメールしとかないと。」
翌日。
は4月23日だった。
新聞は取っていないが取り敢えず朝は郵便受けを確認する。
スーパーのチラシすらOZ内で確認できる時代だが、未だに直接投函されるチラシもある。
それはさておき、今朝そこに入っていた過剰包装は、想像していた本のサイズとはやや違っていた。
健二「これは…ハードカバー?…えっ児童書?…なんだろ…嫌がらせ…されるような覚えは無いけど…。」
取り敢えず時間も無いしこんな物を学校に持って行く訳にもいかない。
思案を巡らせるのは帰宅後の楽しみとして、まずは学校だ。
佐久間「キングのギャグセンスには付いていけないな。」
ハハッと笑う眼鏡を無視し、土曜日だというのに直帰する。
健二「クマさんの四季…。」
何を言うにしてもまずは読んでみようと、制服のまま腰を下ろし表紙を捲る。
健二「…。」
一時間後…の感覚は無かったが、本を閉じて時計を見たら一時間も経っていた。
鼻をすすり、PCの電源を入れる。
立ち上がるまでにトイレを済ませ、コップの中身を補充する。