BLACK作

□本の心。本の音。
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その夜、サスケの予想に反してナルトは最後まで眠らずに聴き入っていた。
それどころか、何故か突然泣き出したナルトを落ち着かせて、ようやく寝かし就けた頃にはもう空は白んできていた。
次にサスケの意識が覚醒した時はもう昼前で、既にナルトの姿は無かった。
食卓には覆われた食事とメモが一枚“サスケへ 起きたら食べてね”と書かれていた。
行儀悪く食事をしながら着替えを済ませるサスケだったが、ふと気配を感じて窓の外に目をやると、見覚えある墨の鳥がジッとサスケを見ていた。

サスケ「………!!」

任務があった事、今日の任務には奴がいた事、更にはサクラも同行する予定だった事を思い出し、トーストをくわえたまま足にチャクラを集中させる。
すると、殺気を感じたらしい墨の鳥は、主人の元に帰ろうと翼を広げる。

サスケ「チッ…!」

窓から飛び出したサスケ。
暖かく晴れた陽射しが寝起きの眼に眩しい。
木々はもう葉を付け、里には緑が溢れている。
いつから見られていたのかは判らないが、余計な憂いは絶たねばならない。
今のサスケの最優先任務、それはあの鳥に余計な報告をさせないという事だ。
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